コスパはさておき、やはり美味しい『いきなりステーキ』

まずは『いきなりステーキ』の「サーロインステーキ(200g)」から見ていきます。200gで2200円という価格で調理費、副菜、ソース、ガーリックチップ、包材などを除いてザックリ計算すると、100g=1000円前後の肉ということになります。精肉店で「100g=1000円前後の肉」となれば結構な高級肉を購入できますが、そこはツッコミません。しかし、ライスを190円で追加することを含めると、結構コスパは良くない印象も受けました。

問題はここからです。実際に食べてみると、かなり良質な肉が使われており、そして焼き加減もムラがなく繊細。テイクアウトにして冷めても十分美味しくいただけるところは、さすが『いきなりステーキ』と言わざるを得ません。また、副菜のガーリックチップとの相性も良く、ライスがどんどん進みました。
『いきなりステーキ』が長きに渡ってファンからの支持を得て、それほど「高い」といった声を聞かないのも、全てこの高いクオリティがゆえのように思いました。
コスパ最強で肉感たっぷりの『やっぱりステーキ』

続いて『やっぱりステーキ』の「サーロインステーキ(200g)」。『いきなりステーキ』の同等商品が「ライス別売」だったのに対し、『やっぱりステーキ』はライスはもちろんスープもセットで販売されています。それで価格が1980円(税込)なので、コスパで言えば、確実に『やっぱりステーキ』に軍配が上がります。これで味も『いきなりステーキ』と同等だと嬉しいのですが、果たしてどうでしょうか?

『やっぱりステーキ』の「サーロインステーキ」は、かなり肉々しい印象で、全体的にも固めです。この辺の好みは賛否が分かれるところですが、肉のクオリティや調理技術で言えば『いきなりステーキ』のほうが上であるように思いました。
しかし、『やっぱりステーキ』が絶対的に劣っているのか、と問われればそういうわけではありません。前述のコスパの良さに加え、「テイクアウトでも食べやすいよう小ぶりにカットしている」といった客への配慮が素晴らしく、後発ブランドながらも根強い支持を得ている理由は、こういった点にあるように思いました。
結論! クオリティ重視なら『いきなり』、コスパ&サービス重視なら『やっぱり』

『いきなりステーキ』と『やっぱりステーキ』双方の「サーロインステーキ」を食べた印象をまとめると、価格は二の次でクオリティを重視する場合は『いきなりステーキ』のほうが良く、それよりもコスパの良さとサービスを重視するのであれば『やっぱりステーキ』のほうが良いということです。
また、店構え的には、『いきなりステーキ』が調理にこだわりながらもファストフード的な趣きがある一方、『やっぱりステーキ』はカフェ的な趣きを打ち出している点も興味深い違い。一見、似ている両ブランドですが、甲乙つけるのが非常に難しい結果になりました。ここまで読んでくださった皆様はどちらのブランドに興味を持たれましたか? ぜひあなた好みのチョイスで、美味しいステーキを味わってくださいね。
(取材・文◎加賀ま波、松田義人)