山梨でしか味わえない信玄餅もある! 山梨・甲府に行ったらマストバイの「地元限定グルメ」4選

山梨でしか味わえない信玄餅もある! 山梨・甲府に行ったらマストバイの「地元限定グルメ」4選
食楽web

●東京から約1時間でいくことができる山梨県・甲府市のココでしか買えない、売っていないあれこれを調査

 これまでにも、「月曜から夜更かし」や、「秘密のケンミンSHOW極」などでもざわつかせてきた、山梨県・甲府市。方言やイントネーション、地元独自ルールはもちろん、食べ物だって甲府あるあるが盛りだくさん。いや、むしろ甲府に住んだりしないと知らないことがいっぱいありすぎ!

 今回は、甲府はじめ山梨ではお馴染みなんだけれど、他の都道府県民にとっては何それ? 的なものや、行かないと買えない地元では当たり前の超ローカルフードを紹介します。

【その1】甲府っ子は信玄餅と言えば『桔梗屋』よりも『金精軒』

『金精軒』の極「上生信玄餅」1箱1080円。賞味期限3日! 『桔梗屋』より餅感高め
『金精軒』の極「上生信玄餅」1箱1080円。賞味期限3日! 『桔梗屋』より餅感高め

 甲州名物といえば信玄餅。紫または赤い花柄巾着の中を開けると、小さいビニールの風呂敷みたいに結ばれた包みに入って、解いて開けて黒蜜かけて食べる『桔梗屋』が定番だと思っていたら、実は昔から甲府にいる人にとっては、『桔梗屋』は昔からあったけれど、今代で事業拡大・全国制覇した信玄餅の店という印象なんです。子供の頃からの馴染みの信玄餅といえば『金精軒』だそうです。

 調べてみたところ、「信玄餅」の登録商標は『金精軒』で『桔梗屋』の信玄餅は「桔梗信玄餅」。そして、信玄餅を販売したのが早いのは『桔梗屋』だけれど、先に登録商標を取ったのは『金精軒』ということのようです。

『kinseiken甲府駅前店』。ここ以外だと北杜市か韮崎市に行かないと買えない(食楽web)
『kinseiken甲府駅前店』。ここ以外だと北杜市か韮崎市に行かないと買えない(食楽web)

 この『金精軒』の信玄餅は、甲府駅の改札を出てすぐの場所『kinseiken甲府駅前店』で買うことができます。あとは本社のある北杜市か、工場などがある韮崎市にお店があります。もちろん山梨県外に店はありません。都内キオスクなどでもしょっちゅう見かける『桔梗屋』と違い、旅行に行かないと買えない、食べられない信玄餅! これは甲府に行ったらマストバイ、のお菓子です。

【その2】熊本だけじゃない、山梨名物「馬刺し」

スーパーの生肉売り場にも普通に馬刺し。ただし、国産ではなく外国産だと、『え? なんで外国の?』と思うらしい
スーパーの生肉売り場にも普通に馬刺し。ただし、国産ではなく外国産だと、『え? なんで外国の?』と思うらしい

 馬刺しや馬肉といえば熊本のイメージが強いけれど、山梨も馬肉は昔からの名物! それこそ甲斐の国だった律令制の時代から貢馬の国、山梨県認定の伝統食の一つなんです。だからスーパーの冷凍肉コーナーには普通に牛・豚・鶏・馬の4種の肉が並んでいて、小さい頃から馬刺しを食べて育ちます。

 山梨県のサイト「やまなし食のデータベース」によると、『山梨県は主要街道である甲州街道が通り、また、富士山信仰で登山者の荷揚げ用に必要とされたため、馬が身近にありました。このことから馬肉料理が盛んになったとも言われています』ってはっきり書かれています。ただ、山梨県の郷土料理って、「せいだのたまじ」とか「ねりくり」「おしくじり」「おべった」など、名前だけでは他都道府県の人にはわからないものもいっぱい。料理のガラパゴス化が激しいのも甲府のあるあるなんです。

【その3】東京に無い!『テンヨ』の「ビミサン」

『テンヨ』の「ビミサン」この日は500ml1本290円でスーパーにて販売。甲府のママの味はほぼこれ、らしい
『テンヨ』の「ビミサン」この日は500ml1本290円でスーパーにて販売。甲府のママの味はほぼこれ、らしい

『にんべん』や『創味』、『ヒガシマル』、『ヤマキ』と、日本各地に有名なだしつゆ、めんつゆメーカーがある中、甲府は『ビミサン』一択! 甲府及び山梨県でしか見かけないけれど、県内のスーパーならほとんど置いてあるのが「テンヨのビミサン」。山梨のお母さんが作る和食の味の決め手はほぼ「ビミサン」です。めんつゆではなく、だしつゆです。そして一般的なめんつゆよりちょっと濃いめの色と味が特徴です。煮物、揚げ物、漬物、焼き物、なんにでも使える山梨が誇る万能調味料なので、スーパーで見かけたら一度買ってみて!

【その4】マグロにも白身魚にも全部ツメをかける! 甲府の寿司「かいじ寿司」

スーパーで販売していた寿司。エビにもサーモンにも玉子にもかかってます
スーパーで販売していた寿司。エビにもサーモンにも玉子にもかかってます

 海あり都道府県から来た人が一番驚くのが寿司。甲府の昔ながらの寿司は、握ったのを醤油につけて食べるのではなく、最初から醤油や砂糖で煮詰めたタレ“ツメ”を塗って客に出すんです。最近では一部スーパーで「かいじ寿司」と名付けて売っているけれど、アナゴやシャコ、貝以外にもツメがかかっているんです。他都道府県民からは驚かれますが、これが昔からの甲府の寿司!

 マグロの握りだけれど甘い、白身魚の淡白な味よりツメの甘さを感じる甲府の寿司。これも海なし県、甲府ならではの独自の展開と言えそうです。

まとめ

山梨生まれといえば、よっちゃんいかの『よっちゃん食品工業』と洋菓子の『シャトレーゼ』。甲府駅前にはシャトレーゼのお店『YATSUDOKI』がある
山梨生まれといえば、よっちゃんいかの『よっちゃん食品工業』と洋菓子の『シャトレーゼ』。甲府駅前にはシャトレーゼのお店『YATSUDOKI』がある

 いかがだったでしょうか。甲府日帰りツアーの場合、ぶどう狩りやワイナリーに行って富士山眺めて武田神社行ってほうとう食べて~、みたいなコースが多いけれど、実は山梨県内にしか無い、甲府でしか売ってない、みたいなものは色々あります。

 埼玉や千葉の様に東京に面しているはずなのに、オリジナリティあふれるカルチャーで爆走中の山梨・甲府。東京から中央線で1本なのに、なぜこうなった~! と新鮮な驚きが沢山ある地域です。ワクワクとツッコミ心がなぜか湧いてしまう楽しい街に、今度の休みに出かけてみませんか?

(撮影・文◎いしざわりかこ)