1週間単位で旬が変わる桃は出会いもの!
中村千勝さん(笛吹市)
さて、峡東の果樹栽培はブドウだけではありません。いま旬を迎えている桃もやはり山梨県の生産量が日本一。ということでマイマイは「JAふえふき」で理事を務める中村千勝さんの農園を訪れました。ここ一宮地区は桃の一大産地でもあり、まもなく収穫を迎える桃畑はふんわり甘い香りが漂っています。

「ひと言に桃と言ってもいろんな種類があることをご存じでしたか?」と中村さん。峡東で栽培されている桃の品種や系統は86種以上あるのだそうです。
「それぞれが時期をずらして旬を迎えるので、桃栽培はきめの細かい作業が必要。短いものだと1週間程度しか出回らない桃もあるから、出会えたらラッキーですね」
マイマイは「春になると濃ピンクの花を咲かせる桃畑は幻想的で、まさに桃源郷。春になったらまた伺いたいですね」と再訪を約束していました。

国宝「仏殿」をお詣りして厳かな気分に
『海涌山 清白寺』(山梨市)

「ちょっと寄り道してもいいですか」とマイマイが立ち寄ったのは「清白寺」。足利尊氏が夢窓疎石(国師)を開山とし、正慶2年(1333)に創立したと伝えられる臨済宗の寺院です。
実は友人の実家でもあるというこのお寺を、マイマイは毎年大晦日に訪れているだとか。「除夜の鐘をついて、あとはゆっくりご馳走をいただいて。第二の実家のようにゆっくり過ごさせていただいています。梅も毎年たくさん送っていただき、梅干しを漬けているんですよ」

この日は副住職の本間裕教さんの案内により、特別に国宝に指定されている仏殿を拝見しました。応永22(1415)年に建立されたという仏殿で悠久の時の流れを感じるひと時……。梅の古木に囲まれている境内の空気もすがすがしく、夏の暑さを忘れることができました。
●DATA
清白寺
住:山梨県山梨市三ケ所620
峡東の美食とワインに舌鼓
『ビストロ・ミル・プランタン』(甲州市)

「そろそろお腹がすいてきませんか?」とマイマイ。たしかに朝からフルーツ農園をめぐり、途中で軽いランチをはさんだものの、太陽は早や西に傾き始めました。そろそろ早めのディナーの時間ですね。

マイマイのおすすめで訪れたのは『ビストロ・ミル・プランタン』。東京・銀座の老舗フレンチ『レカン』でシェフソムリエを務めていた五味丈美さんが山梨のワインに魅せられて、勝沼町にオープンしたフレンチビストロです。

「ほぼすべての食材を県産でまかない、甲州ワインは常時200種超揃えています」と五味さん。ワインにはテロワール(風土)が重要だと言いますが、まさに峡東のテロワールを五感で感じることのできるひと時でした。
●SHOP INFO
店名:ビストロ・ミル・プランタン
住:山梨県甲州市勝沼町下岩崎2097-1
TEL:0553-39-8245
営:11:30~14:30(L.O.)、17:30~21:00(L.O.)
休:水曜
さて、美味しいディナーをいただいたら、あとは帰京するだけ。今回のデイトリップはこれだけ充実した行程をこなしながら、東京へ戻ったらまだ午後9時でした。近くて、深い山梨・峡東地区の魅力にしばらくハマりそうです。
真藤舞衣子/料理家
東京生まれ。会社勤めを経て、京都の禅寺、大徳寺内の塔頭にて1年間生活。その後、フランスのリッツ・エスコフィエに留学し、ディプロマを取得。帰国して菓子店勤務後、カフェ&サロン「my‐an」(東京都赤坂)をオープン後、料理家に。現在は書籍、雑誌を通じたレシピ開発や料理教室を通じて、環境を考えた食べ方、暮らし方、食育を提案。みそ、しょうゆ、塩麹等の発酵食品にも精通し、発酵食品の手作り、生活への取り入れ方を作りやすいレシピを通じて紹介している。
(文◎秋山 都 撮影◎吉澤健太)
●DATA
山梨県の農産物直売所では、峡東地域のブドウ、モモをはじめとする新鮮な山梨県産農産物を販売しています。
農産物直売所 JAフルーツ山梨 フルーツ直売所 八幡店
JAふえふき 富士見支所 農産物直売所
JAフルーツ山梨フルーツ直売所勝沼店 ほか
直売所の詳細についてはこちら(山梨県の農産物直売所ガイドマップ) https://www.pref.yamanashi.jp/nou-han/chokubai/guidemap.html
山梨県の農畜水産物のPRサイト「おいしい未来へ やまなし」トップページはこちら https://www.pref.yamanashi.jp/oishii-mirai/index.html