「トマトサラダ」だけで白ワインをボトルで空けられるかも

今回訪れたのは『閣 三越前店』。他にも、ブランドーム本店、電力ビル店、さらに直売所として「大和町牛たん工房直売所」があります。
さっそく『閣』の名物メニューを3品いただくことにしました。お店の方によれば、「トマトサラダ」、「たんタタキ(ディナーのみ)」は名物メニューの筆頭とのことで、まずこの2品をオーダーしてみました。

まず登場したのは「トマトサラダ」902円。きれいに皮がむかれた新鮮かつ大ぶりのトマトで、その下にレタスと玉ねぎが敷かれた見目麗しい一皿です。さっそく食べてみると、これが絶品。瑞々しいトマトに玉ねぎの酸味と辛味、さらに奥深い味わいのドレッシングが全体の味をまとめています。
筆者は正直、野菜好きではないのですが、これは美味しくてどんどん箸が進んでしまいました。牛たんを食べに来たはずなのに、「トマトサラダ」のウマさにまずビックリ。白ワインや日本酒ともバッチリ合いそうで、筆者的には「この『トマトサラダ』だけでワインボトル1本軽く空けられる!」と思いました。それほどの美味しさであり、この日、次の予定がなければ、間違いなくお酒も合わせてオーダーしていたはずなのに……とちょっと悔しく思いました。
元祖「たんタタキ」もまた野菜類の名脇役ぶりに感涙

続いていただいたのが、今回の目的である「たんタタキ(ディナーのみ)」3080円。やはり『閣』に来たからには避けて通れない名物メニューの代表格です。
「トマトサラダ」にも使われていたフレッシュな玉ねぎの上に、これまた新鮮な小ネギがまぶされ、そのかたわらにズラッと「たんのタタキ」が並んでいます。

まず「たんのタタキ」のみをいただくと、噛み締めるたびに肉の旨みが口いっぱいに広がりました。さらに「たんのタタキ」と野菜を合わせていただくと、もう頬が落ちるほどの味わいで、やっぱりお酒が恋しくなる筆者でした。
ここまで美味しい「たんのタタキ」と野菜を食べた記憶がありません。仙台を訪れる際には、「トマトサラダ」「たんのタタキ」をおつまみに、しっかり酒を飲むつもりで絶対に再訪しよう、と心に決めたのですが、お店の人いわく、そう考えるのは筆者だけでなく、すでに県外からも大勢のファンが続々と『閣』にリピート来店しているそうです。
仙台牛たんとしては平均価格にして、ワンランク上の味わいをいただける!
「トマトサラダ」「たんのタタキ」だけでも十分な満足感でしたが、最後の〆として「たん焼き定食(4枚)」2288円をオーダー。かなり厚めにカットされた牛たんとお新香がドッサリのったメインのお皿に、定番の麦ごはんとテールスープがついています。

さっそく食べてみると、牛たんは柔らかく、臭みは一切なし。それでいて噛み締めるほどにジューシーな肉汁が口いっぱいに広がります。シンプルかつ奥ゆかしい味が麦ごはんとテールスープと相性バッチリです。
この贅沢すぎる味わいにして、仙台牛たんとしては割と良心的な価格帯なのもありがたく、定食だけをいただくために訪れたくなる味でした。
ワンランク上の牛たんだけじゃなかった! 野菜類とドレッシングの美味しさの衝撃

聞けば、『閣』の仕込み方法は創業時から変わっていないとのこと。柔らかく、サクサクと噛み切れる牛たんの独特の食感を生み出すために、手間ひまかけて筋を残さないようカットするのがポイントだそうです。
もちろん「牛たん」そのものの品質にもこだわっており、厳選されたアメリカ産・国産和牛を中心に、自信をもって提供できる原材料のみを使用。また、冒頭でいただいた「トマトサラダ」「たんタタキ」に使用されるドレッシングは、『閣』の社内でも限られた人しかそのレシピを知らないそうで、筆者のように「牛たん目当てだったのに、トマトサラダの美味しさにまずビビる」という人も多くいるそうです。
まとめ
当初は「牛たんのたたき」”を元祖の店で味わう目的で『閣』を訪れたわけですが、その期待が裏切られることはなく、間違いなくワンランク上の味が堪能できました。しかし、それだけでは終わらず「トマトサラダ」という、一見すると何の変哲もないメニューが、ここまで絶品だったとは恐れ入りました。
今回は、同店の後にも予定を詰め込んでいたため、後ろ髪を引かれるように『閣』を後にした筆者。次回は必ず時間を作って、その他の絶品メニューも含めてお酒とのペアリングを楽しみたいと思いました。出張・旅行などで仙台に行かれる方はぜひ行ってみてください。その味わいに唸ることウケアイですよ!
(撮影・文◎松田義人)