「一定圧力」で玉ねぎのうまみを活かした洋風煮込みが完成
角煮の下茹でで使った「一定圧力」モードは、煮崩れしにくい1.2気圧でやさしく加圧してくれます。このモードは、魚介類や野菜などの柔らかい食材に適しており、本来なら長時間煮込む必要のある「玉ねぎのファルシー」も簡単に作れるんです。

中心をくり抜いた玉ねぎに牛ひき肉を詰めて煮込むこの料理ですが、仕上がりはとにかく玉ねぎがトロトロになっており、それでいて肉の旨みがしっかり閉じ込められていて、レストランで食べるような完成度の高さです。

調理時間は沸かしを含めて約1時間となっており、普通の鍋で作るより早いものの、コンロで使う圧力鍋に比べると、少し時間がかかる印象。とはいえ、とくに難しいことを意識せず、誰でも簡単に「可変圧力」「一定圧力」を使いこなせるのは大きなメリットですね。
「無水調理」でほくほくなかぼちゃの煮物が焦げずに完成
コンロで煮物を作るときに、慣れが必要だと感じるのが「かぼちゃの煮物」です。ちょっと目を離したすきに焦げてしまいますし、焦げずに完成しても味がしみ込んでいないときには悲しい気持ちに……。

EL-MB30の自動調理メニューには「かぼちゃの煮物」があるのですが、こちらは「無水調理」となっています。コンロでの無水調理こそ火加減が難しいので、ここでもEL-MB30の出番。かぼちゃと調味料だけで、ほくほくなのに型崩れしていない完璧な煮物が完成しました。

調理時間も沸かしが約15分、調理が約10分と、30分以内で作れます。普通の鍋なら30分でここまで味がしみ込むことはないですし、やはりEL-MB30のおかげです。
かぼちゃの煮物に関しては、「予約調理」にも対応しています。予約調理は最長12時間まで設定可能。朝用意をしておけば、すぐ調理を始めて、約12時間食べ頃の75℃をキープしてくれるのです。肉の場合は最初に表面を加熱、野菜の場合は70℃の予備加熱で表面を硬くして煮崩れを防いでくれます。
内なべにこびりついた料理のニオイが気になるときには、クリーニング機能を活用しましょう。また、圧力調理の要でもある内ブタは3つのパーツに分かれるようになっており、衛生面でも安心感のあるモデルだと感じました。

家電量販店での実売価格は3万円前後となっており、これまで紹介した2モデルに比べればお得感は強め。あえてデメリットを挙げるのであれば、とにかく時短を追求したい人向きではなさそうです。予約調理を活用すれば調理時間は気にならないですが、帰宅後に急いで食事を用意したいときに使うなら、ほかの料理と並行して作れることが強みになるでしょう。
これからの寒い季節はあつあつの煮込み料理が恋しくなるもの。象印のEL-MB30を使って、煮込み料理の腕を上げてみませんか?
●DATA
自動圧力IHなべ EL-MB30
http://www.zojirushi.co.jp/syohin/ih-atsuryoku/sp_elmb/
●著者プロフィール
取材・文/今西絢美
編集プロダクション「ゴーズ」所属。デジタル製品やアプリなどIT関係の記事を執筆するかたわら、“おいしいものナビゲーター”として食にまつわる記事も執筆中。旅先でその土地ならではのローカルフードを探すのが好き。
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