ショウガとパセリが香る爽やか系からあげがウマい!

店主の岩澤信さんにお話を伺うと、もともとは酒店として酒類の販売を中心に行っていたそうです。そのうち「お酒のおつまみにできるものを」と考え、店内にキッチンを設置してからあげの販売もスタート。そして8年ほど前、現在地にからあげ専門の店舗を新たにオープンしたんだそうです。確かにからあげはごはんにもお酒にも合うので、わかります!
店名にもある通り、からあげ弁当が中心ですが、単品のからあげも購入可能。お弁当はご飯の量で小盛・並盛・大盛・特盛・爆盛があり、筆者がいただいたのは「からあげ弁当・並盛」(580円・からあげ3個)、そして「からあげ単品」(3個・360円)。

1個60~70gほどもありそうな大きめサイズのからあげです。漬けダレにひと晩しっかりと漬け込んでおり、ショウガの味がやや強めで、揚げた後に刻んだパセリをふりかけているのが特徴。ショウガとパセリの香りもあって、爽やかな風味の味わいなのです。
鶏肉は初訪店時と変わらず、むっちりとした弾力感あふれる歯ざわり。パリッとした食感の衣とのバランスも秀逸で、旨みしっかり肉汁たっぷり。うん、やっぱり美味しい! 十分な漬け込み時間からもわかるように、やわらかい肉質に仕上がっています。

やや濃いめの味付けなので、お酒のおつまみだけでなく、ご飯のおかずにもピッタリ。お弁当でご飯の量が選べる理由がわかります。ニンニク不使用ということもあり、女性のお客さんにも人気のようです。
ちなみに店主の岩澤さんは数年前に大分県を訪れ、“からあげの聖地”と呼ばれる中津市などで名店を食べ歩いたそうですが、現地で自身の店ではニンニクを使っていないと伝えると、「そんなのからあげじゃない!」とびっくりされたそうです。確かに中津や宇佐ではニンニクをガンガン効かせたからあげが多いですからね。

もちろん、それがまたウマいのですが、最近はニンニクはおろか、ショウガや醤油も使っていないからあげも出てきています。からあげ界にも、ダイバーシティ(多様性)の波が押し寄せているようです。
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。