「ボルガライス」は感激必至のウマさだった!

丸の内線・新高円寺駅を上がってすぐのところに『花の木』はあります。店先の立て看板には、写真付きで「ボルガライス」(797円)が紹介されており、ちゃんと越前武生名物グルメと書かれています。
というか、とんかつ×オムライスで797円ってかなり安くないですか? 単品でも1000円以上するお店はたくさんありますよね。ちなみに看板の下のほうには、「ボルガライスカレー」というメニューも発見。これはオムライス×トンカツ×カレー。この料理も815円とおトク感がスゴい!
ともあれ、入店してお目当ての「ボルガライス」を注文しました。待つこと5分ほど。登場したのがこちらです。

オムライスにトンカツ、そして上にかかっているソース。イメージ通りのビジュアルですが、いざ食べてみると、ソースの美味しさに驚かされました。「ウマっ」と思わず声が漏れるほど。かかっていたのはトンカツソースでもウスターソースでもなく、丁寧に作られたことがわかるデミグラスソース。これがめちゃくちゃ美味しいんです。どろりと超濃厚で、甘味・酸味・旨味がギュッと詰まっている。

そしてトンカツは揚げたてのロースカツで、サクサク&アッツアツ。これが極上のデミグラスソースと相まって、美味しいのなんの。出会うべくして出会った2人、というか、もう相性が良すぎてびっくりします。これだけでもテンションが上がりますが、さらにその下には、金色に輝く美しいオムライスが控えています。もうワクワクが止まりません!

そのオムライスは、キラキラ輝くうす焼き卵に、チキンライスがくるりと包まれた美しい楕円形。中のケチャップライスはしっとりしていて、お米一粒ひと粒にしっかりと旨みが染みた逸品。さらに絶妙な薄味加減で、濃いめの味わいのとんかつ&デミグラスソースにピタリと合うのです。

サクサクのとんかつ、デミグラの極上の旨み、そして美しいふわふわ卵に包まれたケチャップライスの控えめな味加減。この味や食感の全てが一体となって、得も言われぬ美味しさなのです。これは、とても家では作れないし、まして洋食店で勝手に自分で積み重ねたとて、こんな味になろうはずがありません。侮ってスイマセンでした!
というわけで、初めて「ボルガライス」を食べてみてわかったのは、オムライスの上にトンカツをのせただけの単純な料理では全然ないということ。あくまでボルガライスとして、細部まで考え抜いて作られている、というのがよくよくわかりました。少なくとも『花の木』のボルガライスは絶品でした。しかも797円ですよ。安すぎる!
ちなみに、福井の武生地区の「ボルガライス」も、お店ごとにソースやオムライスの中のライスなどにさまざまな個性があるようです。いつか絶対にご当地で食べよう! と決意したのでした。
(撮影・文◎土原亜子)