自由自在に単品おかずを組み合わせて“マイ定食”を作る!

というわけで、さっそく筆者のオリジナル定食をオーダー。内容は次の通りです。
・手作りコロッケ(単品・450円)
・イカバター焼(単品・690円)
・栃尾油揚焼(450円)
・御飯 並(200円)
・なめこ汁(450円)
これに小鉢とお新香もついて、豪華この上ない定食が完成。久しぶりに来たので思わず頼みすぎましたが、たまの贅沢ということで…。
今回の定食は「手作りコロッケ」が主役。これをメインにしたのは、お店で毎朝、じゃがいもをふかすところから手作りしている絶品だから。とにかくウマいんです。これを軸に、「イカバター焼」と「栃尾揚げ」をサイドに配する布陣で攻めていきます。

まずは心を整えて、今回の主役「手作りコロッケ」を。最初は何も付けず、そのままいただきます。揚げたてのホクホク感がたまりません! “おいも感”が強く、ソフトな口当たり。何もかけなくても十分美味しいのですが、レモンを少し搾ったり、ソースをかけると、ちょっとフルーティーな酸味も加わって、めちゃくちゃ美味しくなります。いやぁ、これは絶品! これだけでご飯を何杯も食べられそうです。

続いて「イカバター焼」に箸をのばします。プリンとした弾力ある歯ざわりとともに、ほんのりとしたバターの塩気。少しレモンを搾ると、爽やかな風味が立ち上ります。ご飯にもお酒にも合う味です。バターのソースに浸った千切りキャベツがまた美味しいこと!

次に「栃尾油揚焼」へ。ご存知の人も多いでしょうが、新潟県長岡市の栃尾地区は油揚げが名物で、現地では「あぶらげ」と呼ぶそうです。その油揚焼、見た目は厚揚げのようですが、口に入れるとフワッとした食感。しかし噛むほどに旨みがにじみ出し、しっとり感が現れてきます。

このままでも十分に美味しいのですが、刻み白ネギにショウガ、そして醤油をほんのちょっとだけかけて食べてみると、さらに旨さが加速。焼いた油揚げの香ばしさにショウガと醤油の風味がピタリと寄り添います。このとき、醤油をかけ過ぎると油揚げの風味が楽しめなくなるのでご注意を。

最後は「なめこ汁」とご飯でフィニッシュ。このなめこ汁がとろとろでまたウマいんです。なめこの旨みも出ていて、深みのある味です。ご飯は並盛でしたが、もう少し多くてもよかったかな、というのが食後の感想。どれもこれもお米を美味しく楽しませてくれる味です。特に、今回の主役の手作りコロッケは “ご飯のためのコロッケ”という印象で絶品。さすが毎朝手作りしているだけのことはあります。

ちなみに、水口はお刺身や焼魚、煮魚などの魚料理も充実しているほか、ハンバーグやナポリタン、オムレツなどの洋食メニューも豊富。世代を超えて、界隈の人や浅草芸人たちに愛され続ける理由がわかりますよね。
筆者が訪れたときは、お刺身やフライなどでお酒を飲んでいるお客さんの姿もちらほら見かけました。次回来店の際は、栃尾の油揚焼とたこ酢、そしてキスフライでビールを飲もうと思います。みなさんも浅草に立ち寄る機会があれば、ぜひ行ってみて、自分だけの定食を楽しんでみてください。
(撮影・文・◎松本壮平)