気になる“ピンクチャーハン”ってどんな味?

入店すると、もちろん満席。一人客である筆者はカウンター席に案内されました。今回の目的は“ピンクチャーハン”一択。メニューも見ずにすぐに注文しました。待っている間に厨房を見ていると絶え間なくピンクチャーハンが作られ、運ばれていくのもピンクチャーハン、ラーメンといった感じです。

しかし、ここでまたちょっとしたミスに気づきました。運ばれるチャーハンやラーメンをよく観察していると、やや小ぶりなのです。ん? と思ってメニューをよくよく見てみると、「サービスセット」なるメニューがあり、その中の「ラーチャン」(935円)という半ラーメン+半チャーハンのセットを発見。そして、お店のほとんどのお客さんがこれを注文しているようなのです。うーん、自分もそれにすれば良かったかな…と少し後悔。

そうこうしているうちに筆者のチャーハンが登場しました。目の前のピンク色のチャーハンは鮮やかで美しく、形容しがたい神々しさを感じます。しかもこんもり山なりでかなりボリューミー。お茶碗で言えば軽く3杯分はありそうです。

そして、美しいピンク色のお米を見ていると、勝手に口の中が酸っぱくなってきます。ちなみに、このピンク色の正体はチャーシュー由来の食紅。頭ではわかっていても、ピンク色の食べ物を見ると、ついつい梅干しやトマト、はたまた紅生姜の酸味を想像してしまうのです。それにしてもなんとも心に訴えかけてくるツヤツヤ感です。

さっそくレンゲですくってひと口食べてみると、当然ながら酸味はありません。しっとり&ふんわりとしたお米は、まろやかな塩味をまとっています。そして噛むとパラリとした食感。油っぽさもなく、まるで炊き込みご飯のようにまろやかです。期待を遥かに超え、ウキウキするような美味しさ!
レンゲが止まらずあっという間に半分ほど食べて、隣のスープもひと口。こちらもまた衝撃の美味しさ! チャーハンに付くスープといえば、あくまで口直しのおまけ程度のものという認識があったのですが、このスープは別格でした。雑味がなく塩加減が絶妙で、非常に穏やかな味わい。これは、今まで飲んできた町中華のチャーハンスープの中でもダントツに美味しいです。

最後に、チャーハンをスープに浸して食べてみることに。炒飯好きの人ならわかると思いますが、美味しいチャーハンを美味しいスープに浸すと、旨さが倍加して天井知らずの口福を楽しめます。こうして夢中で食べ進めていった結果、かなりボリュームあったチャーハンもあっという間になくなってしまいました。

というわけで、念願叶って食べた『みん亭』の“ピンクチャーハン”は行列ができるのも納得の逸品でした。加えて、サイドのスープにも並々ならぬこだわりを感じられました。いやぁ、半チャーハンにしなくて良かった! 次回はチャーハン単品、ラーメン単品の両方頼んでみようと思います。
(撮影・文◎土原亜子)