絶品チャジャン麺は大当たり!

『香港飯店0410』には午後3時に到着。ちょっと遅めの昼食ですが、店の中はお客さんでいっぱいで、かなりの人気店だということが一目瞭然です。
目指すは真っ黒&ドロドロのチャジャン麺! 勢いよく入店し、メニューも見ずに「チャジャン麺を」と速攻で注文。するとお通し的にすぐに出てきたのは真っ黄色なタクアン。おーこれこれ、チャジャン麺に必ず付いてくるヤツです。

待つことしばし。待ち望んでいたチャジャン麺が湯気を上げて登場しました。キラキラ黒光りしている! 麺もつるんつるんのツヤツヤ! 初めて見るチャジャン麺、思った以上に美味しそうでテンションが上がります。

ここで少し落ち着いて、チャジャン麺についておさらいです。そもそもチャジャン麺とは何かというと、野菜と豚肉を炒めて、韓国の黒味噌“チュンジャン”で味付けして餡にし、それを麺にどろっとかけた料理。
ちなみに “チュンジャン”というのは、中国の甜麺醤にカラメルを混ぜて作った韓国独自の調味料。もともとは中国のジャージャー麺から派生した料理で、韓国では中国料理に分類されているそう。だから韓国映画やドラマでは、韓国の中華屋さんが配達しているわけですね。実際、この店も『香港飯店0410』と、知らない人からしたら広東料理店のような店名ですしね。
では、いざ韓国映画同様に箸で持ち上げて混ぜてみます。

どろどろした餡は、もっちりとした麺に絡まりやすいのですが、もっと麺を真っ黒に染めたい一心でぐるぐる、ぐるぐるとしつこく混ぜていきます。そして完成したのがこちらです。

麺を一気に箸で掴み、そのままズズッ。とろ~りとした餡とちゅるんちゅるんの麺なので、口内に滑り込ませると、けっこう大きなズルズル音がするんです。
そして味は、非常に甘い! 想像以上に甘さが強く、その先にカラメルのほろ苦さも感じます。

韓国でよくある辛い系の麺とはまったく違い、とってもまろやか。濃厚なシチューのようなまったりとしたコクも感じます。
味変好きな筆者は、いつもなら卓上の調味料をすぐに入れるのですが、この麺は最後までまろまろっとした味を食べ続けたくなる、不思議な魅力があります。しかも合間にタクアンをポリポリ。これが不思議ととても合うんです。

ほぼノンストップで完食。チャジャン麺を食べていると無言&無表情になるのがちょっとわかった気がします。ソースが服に飛び散るので気をつけなくてはいけないうえ、後を引く味だから、美味しい顔をしている暇がないのかも。
というわけで、憧れの韓国チャジャン麺を美味しい店で食べられて大満足。いざ帰ろうとしたときです。ほかの多くのお客さんたちが食べているある料理が目に入りました。

それは「タンスユク」という韓国式酢豚。見るからに美味しそうなビジュアルじゃないですか! 食べたい。でもお腹いっぱい、でもちょっと食べたい…そこで、残したらテイクアウトすることにして、小サイズ(1600円)を注文しました。

衣たっぷりの “豚から”に、甘酸っぱい野菜餡(キャベツ、人参、きくらげ、グリンピース)をかけた、まさに酢豚なのですが、この豚からあげが非常に独特で、噛んだ瞬間はカリッカリなのに、その後モッチリモチモチに食感が変わるんです。
みんなが注文するのが納得の美味しさではあるけれど、小にしてはかなりの量でさすがに食べ切れず、テイクアウトにしてもらい夜のおつまみに。ちなみにこれ、冷えてもカリモチ感がまったく変わらなくて美味しかったです。
次は、みんなが食べていた辛い焼きちゃんぽんを食べに再訪しようと思います。
(撮影・文◎土原亜子)