
テイクアウトをメインとするからあげ専門店『さくら商店』は、いまトレンドの大きめのからあげを提供するお店で、都内に数店舗を展開しています。
今回は同じ運営会社が経営する『喫茶マイアミ』内にある新宿店へ。他の店舗はテイクアウトとデリバリーのみですが、こちらはお弁当や単品のテイクアウトはもちろん、ランチタイムには定食でいただくこともできます。

オーダーしたのは「唐揚げ弁当・あいもり」(1000円)。醤油からあげと塩からあげが各2個ずつ入った、ボリュームのあるお弁当です。新宿店では、店内でお弁当を待っているお客さんのために、ドリンクを1品サービスしています。喫茶店ならではの嬉しいサービスですね。筆者は大好物のメロンソーダをセレクトしました。ドリンクバーなどのメロンソーダとは違い、濃厚な味わいのメロンソーダです。

オーダーから5分ほどでお弁当の登場。出ました! “フタ閉まらない系”のからあげ弁当! これだけで中のからあげのデカさがわかります。
ちなみにフタが半開きになっているのは、からあげが巨大ということもありますが、中に蒸気が溜まるのを防ぎ、からあげ、とくに衣の食感を損なわないようにする工夫でもあります。「SNS映えを狙ってるんじゃないの?」と思われる人もいるかもしれませんが、それはあくまでオマケ効果。持ち帰ることを前提に、時間が経っても味が落ちないように考え出された、合理的な手法なのです。

さあ、さっそくからあげをいただきます。1個あたり50g前後はありそうです。まずは醤油から。衣に歯を入れただけで思わず「ウマい!」と声が漏れました。香ばしい衣に、鶏肉の味がしっかり染み込んでいるせいか、この時点で美味しさを感じてしまうからあげはそうそうありません。
シャリッとした歯触りですが、しなやかさもあり、歯の圧を優しく受け止めてくれる食感。醤油の風味はやや抑えめで、肉の旨みがトロンと舌をなでるように迫ってきます。

塩からあげは塩味がいい! 実にイイ! 旨みすら感じる塩の味が、舌をふんわり包みこむようです。肉の美味しさを幾重にも引き立てるような塩加減。鶏肉の味わいがしっかり、そして濃厚に出ているので、これはご飯がすすみますね。
醤油と塩、いずれもフタを開けて見たときは、ガリザク系のワイルド食感を想像したのですが、肉も衣も意外にマイルドな歯触りと口当たりです。「気は優しくて力持ち」といったイメージです。その優しさに甘えて…いやいや引き込まれて、グイグイ食べ進めてしまいました。

ちなみにこちらではからあげを単品でもオーダーできますが、オススメはやはりお弁当か定食。ご飯が美味しくなるからあげです。食べながら思ったのですが、最近、専門店のからあげ弁当のおかずは、からあげ以外はお新香のみ、あるいはお新香+ポテトサラダ、というタイプが増えています。各店とも研究を重ねて、ご飯に合う味付けにこだわっているからか、おかずはからあげ+口直し程度のものがあれば十分なんだよな、と再認識した次第です。
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。