本場のチキン南蛮の味わいはいかに?

ランチタイムの「チキン南蛮定食」は、宮崎産若鶏を使用しています。チキン南蛮といえばタルタルソースが命。こちらの定食、出てきた瞬間、タルタルの量にビックリするはず。タルタルソースがかかっている、というよりも、タルタルの中にチキンが浮かんでいる、と言ったほうがいいかもしれません。チキンがほとんど見えなくなるほどにたっぷりで、チキン南蛮好きならテンションUP間違いありません。
まずはタルタルソースをひと口いただきます。卵に玉ねぎのほか、ピクルス(レリッシュ)、パセリなどを使用しているそうです。吟味された素材をふんだんに使っているんですね。クリーミーで、卵のプチプチした食感がいい。濃厚なのに、さっぱりした後味です。

そしていよいよ、このタルタルソースを浴びるようにかぶったチキン。衣がしっとりとやわらかく、肉の旨みがしみ込んでいるような風味。そして香ばしさもちゃんと感じます。肉はフワトロ系の食感。肉汁もたっぷりで、甘酢とタルタルソースがうまく絡んで、舌の上でとろけるような美味しさに。
歯を立てなくても、肉が溶けていきそうです。断面からは肉汁がしっかりとにじみ出てくるので、そこにタルタルソースをつけて食べるのがオススメ。肉とタルタルの旨みがダイレクトにミックスされ、味がグンとよくなります。
チキン南蛮なので、揚げた後に甘酢をくぐらせているわけですが、酸味は控えめで、フルーティーな甘みがかすかに感じられる程度。この甘酢には宮崎の「リンゴ印ソースウスター」を隠し味的に加えているとのこと。さっぱりしていながら深みのある味わいが特徴のソースです。

全体的に、肉、タルタルソース、甘酢のバランスが絶妙。主役の肉を、タルタルソースと甘酢がしっかり盛り立てている、そんな印象です。なんのかんのと言いながら、あっという間に完食。予想通り、タルタルソースが少し余ってしまいましたが、これを付け合わせの野菜につけて食べるのも美味しかったです。ちなみにキュウリとミニトマトはもちろん宮崎産です。
ところで店名にある「くわんね」。宮崎の方言で「どうぞ食べてください」という意味があるそうです。新宿駅からほど近い場所にあって、アクセスも至便。宮崎名物の冷や汁や宮崎牛なども味わえます。ぜひ、本場の宮崎県の味を堪能しに行ってみてください。
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。