濃厚煮干、どデカチャーシュー、極太麺のドスッと三つ巴!

トッピングは他にも、花びらチャーシュー350円やモモチャーシュー350円、角切りチャーシュー250円などもあり、麺やスープはもちろん、チャーシューも自信あり、ということでしょうか。デカ盛りデカ肉ってトッピングに、お店の意気込みを感じます。
ちなみにデカ盛りデカ肉のチャーシューは豚もも肉。1頭から多く取れない部分を使っているため、その日によって肉の厚みが違うとのこと。今日の一杯は厚みがすごいのか幅が広いのか、さらに楽しみになってきました。

出てきたのは、大きなチャーシューがフタ状態、麺がちょこっと見える丼。目の前に来ると、煮干しの美味しそうな香りがすごい! 一気に食欲をかきたてられます。
手前にあるメンマ、飴色なのも青森風? そして、極太麺は一般的な麺より色が白い印象。だからうどんっぽいの?

早速計測。直径18cmの器に、高さ約13cm。重さは1261g(器の重さを除く)。チャーシュー、分厚かったら顎を使うな~、なんて思っていたら、スライスされていて食べやすくなっていました。しかもいりこの粉とタレがかかっていて、豚肉の旨みに煮干しがさらに乗っかっています。
まずこのチャーシューをつまみにビールでいきたいなぁ~。でも麺が伸びるのは嫌。ということで、重なっている肉のテントの下、麺を引っ張り出します。

「スープは、豚と鶏ガラにたっぷりの煮干しで作っています。なので、煮干しの酸味もほのかに感じる、東京の煮干しラーメンとは全く違う美味しさですね。国産小麦で作る麺は煮干しの風味を壊さないよう、無かんすいのオリジナル麺なんですよ」と店長。
巨大なチャーシューの他、具はネギとメンマのみ。「メンマは甘めに作っています。これもうちの特徴の一つですね」とのこと。きくらげみたいな濃い色ですが、メンマです。

そして、チャーシューと麺をかき分け、すくったスープは透明度ゼロ、濃厚なのがわかる「セメント系」。全国各地の厳選した煮干しで、独自の割合、配合、時間で作っているとのこと。確かにこのスープで、シメにゴハン、うまいんだろうなぁ。ただし、1.2kgを超えて、さらにゴハンを食べきる自信はない。次回に持ち越しです。

「津軽煮干しラーメン」ですが、もともと、あっさり味の「津軽そば」がルーツ。煮干しの出汁でいただくお蕎麦で、青森の王道そばとのこと。この「津軽そば」と、「津軽ラーメン」のいいとこ取りで生まれたのが「津軽煮干しラーメン」です。
色々話を聞きつつ、一口! 最初に口の中に煮干しの旨みと香りがブワッと広がります。すごい。煮干しの群れが一気に口の中で踊り出す感じ。すっきりしているけれどしっかりした旨みです。これだけの味だから、極太麺なのも納得。もちもち感のある麺が、いいバランスとなっています。
そしてチャーシューも最初の一口はいり粉の旨み、噛むと豚肉のじゅわっとした旨みが広がってきます。しっとり、ムチっとしたチャーシューは、煮干し効果のせいかくどさやしつこさはなし。このチャーシュー、ゴハンに乗せて食べたいなぁ~。やっぱり次回来るときは、ライスの量を想定したボリュームにせねば。

豚骨系や鶏白湯系とは違い、魚の油なので、濃厚でもすっきり感があるのが煮干し系ラーメンのいいところ。途中でドスッと来ることもなく、美味しく楽しんでいるうちに完食。と言っても胃袋的にはギリギリのところでした。
店内には、おそらく青森県出身者の大学生らしき2人組がいて「は~落ち着く~」「これこれっ」と言いながらラーメンを食べる姿が。コロナの影響でもしかしたら帰省できず、故郷の味を食べにきたのかも? と勘ぐってしまうほど、嬉しそうに食べる姿が印象的でした。
東京、いや、関東のいわゆる煮干しラーメンとは一線を画した青森の濃厚煮干しラーメン。オススメの食べ方は、丼の下にあるお皿に、一旦チャーシューを移して、麺から攻める! とのこと。次回はあっさりにして、ゴハンをつけるか、こく煮干しにするか、どうしようかな~、なんて思っていたところに、
「シメのライスに、さらに納豆+50円も入れるのがオススメですよ」とニッコリ微笑む店長。えっ? ラーメンライスに納豆? どういうことっ? 津軽煮干しラーメンは想像以上に奥が深そうです。また必ず来なくてはっ!
(取材・文◎石澤理香子)