かき氷専用の餡を使用した「宇治金時」は一番人気
虎屋菓寮では、今夏10種類のかき氷を提供しています。数あるかき氷のなかでも、不動の一番人気を誇るのが「宇治金時」です。


さっそくひと口食べてみると、氷の粒は細か過ぎず、荒過ぎず、絶妙なバランスを保っています。ザクザクと食べ進めたくなるこの感じは、最近流行りのかき氷とはまた違った趣きがあり、ベーシックなメニューだからこその良さが出ています。
たっぷりかかった抹茶蜜には、宇治茶を使ったとらやで販売している抹茶「京の調(きょうのしらべ)」と、徳島県で作られた和三盆糖を使用しているそうです。和三盆糖が得意とする“丸みのある甘み”のなかに、抹茶のやわらかい香りと苦みがミックスされ、絶妙なあと味が楽しめます。

そして、底には北海道十勝産の小豆である「エリモショウズ」を、白双糖(しろざらとう)、つまりザラメ糖で炊き上げた餡が入っていました。氷の中に埋もれていると餡が硬くなってしまうのではと考えがちですが、心配はご無用。
この餡、実は和菓子用のものではなく、かき氷で使用するためだけに作られた餡なのです。そのため、氷の底に入っていても、きちんとなめらかさをキープできています。
とらやの餡の特徴は、「少し甘く、少し硬く、後味良く」なのですが、かき氷に使われている餡にもこれがきちんと活きています。日本ならではの甘味がぎゅっと詰まったメニューだけあり、一番人気なのも納得です。