ここ数年でじわじわと都内で増えているうどんの専門店。チェーン系はもちろんですが、“うどん県”などで修行した人が営む、個人店も多く見かけるようになりました。
中でも、新宿にあるうどんの店では1kg超えの打ちたてうどんが食べられるとの情報が。向かったのは新宿御苑駅から徒歩2分ほどの場所にある『切麦や 甚六』。東京のうどん=出汁が醤油のように濃いうどん、というイメージが最初に浮かびますが、その概念を払拭する、“新しい東京のうどん”が味わえるお店です。
席に座って早速メニューを見てみると、そこには「甚六のこだわり」なるページが。麺は厳選した小麦粉や混ぜ合わせる塩水まで徹底した温度管理を。出汁は北海道の上質な昆布や瀬戸内海産のいりこ、さらに数種類の魚の節をブレンド。さらに、麺は「打ちたて」「切りたて」、天ぷらは「揚げたて」との説明が。うわ~これはさらに楽しみになってきた~!
つまり、作り置きなし。注文してからできるまでに15分ほど時間がかかる場合があるとのこと。美味しい出来立てうどんを食べられるなら、もちろん待ちますっ!
そして気になる盛りのサイズ。メニューには、大盛り(450g)+50円、倍盛り(600g)+100円、特盛(900g)+200円とのこと。もちろん特盛で注文です。
この日はおよそ10分程度で出てきた「天ざるうどん」。驚きなのはうどんがツヤッツヤ! 透明感があり、みずみずしい印象です。普段食べているうどんにツヤなんて感じることなかったのに。打ちたて、切りたて、茹でたてのうどんのキラキラ感に衝撃です。
天ぷらは、エビ、イカ、レンコン、ナス、カボチャ、ニンジン、大葉。ニンジンのオレンジ、大葉の緑がキレイ。ちなみにこの天ぷらはレギュラーメニュー。通年で食べることができます。天ぷらで旬のものを食べたいときは、季節メニューで注文可能です。
早速計測。高さは約5cm、重さは約1173g(器の重さを除く)。うどんが約900g、天ぷらが約270g、ということでしょうか。早速一口。うわ~、ツルツル。口の中にスッと入ってくる、ツルッツルの麺。つゆをつけず、そのまま食べても、麺自体に塩気があって美味しい。
香川の人が「麺は飲み物」と言っている理由がわかった気がします。だって口当たりも喉越しもすごくいい。クセになる美味しさです。
今度はツユにつけて一口。深みがありつつ、うどんの良さを引き立てるツユは、さらにうどんの喉越しの良さをアップさせます。香りも口の中でふわっと広がり、幸せな気持ちに。このうどんにはこのツユ。完璧な組み合わせです。
あまりの美味しさにうどんをズズズズッと食べ続けた後、ちょっと理性を取り戻し、今度は天ぷらに。レンコンはホクホクとシャキシャキのちょうどいい中間。エビはふっくら。そしてシソは口の中に爽やかな香りを一気に広げてくれます。これ、ツユでびしょびしょにしたらダメな天ぷら。揚げたてサクサクをそのまま楽しみます。
うどんの専門店ですが、単品料理も色々あり、夜は店主厳選の日本酒とおつまみで楽しんだのち、シメにうどんを頼む、という人がほとんど。また、冬メニューとして、「冬野菜天の温かいいうどん」(950円)なども味わえます。
「蕎麦屋では、お酒を飲んでつまんで締めにそば、というのが定着していますが、うどんではあまりないので、それを定着させたいですね」と語る店主。
また、これからのオススメとして、「究極のTKU」も食べて欲しいとのこと。ん? TKUって?「T(卵)K(かけ)U(うどん)ですよ」とニッコリ。究極のTKUは、湯の中にうどんが泳ぐ釜玉と、水で締めたうどんの2つからセレクト可能。うどんそのものが美味しいからこそ出せるメニューですね。
ちなみにうどんの特盛、平日午後14時~15時半の間なら、同料金で1.5kgまで増量可能です。2kgぐらいまでなら余裕! という人は、ぜひこの時間帯に。ツヤツヤ、ツルツルの絶品うどんを、思いっきり味わえますよ。
(取材・文◎石澤理香子)
●SHOP INFO
店名:切麦や 甚六(きりむぎや じんろく)
住:東京都新宿区新宿1-17-1 LAND・DEN 1F
TEL:03-6273-2646
営:ランチ月~金11:30~16:00(L.O.15:30)、日~木ディナー17:30~23:30(L.O.22:30)、金土ディナー17:30~24:00(L.O.23:00)
休:なし