君はもう「発酵からあげ」を食べたか?|第20回【「から活」日記】『発酵居酒屋5』発酵からあげ

【「から活」日記20】『発酵居酒屋5』発酵からあげ

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朝活、婚活、ソー活、妊活、終活……前代未聞の活動ブームの陰で、「から活(からあげ食べ歩き)」に余念がない、からあげのプロ=カラアゲニストたちがいることをご存知だろうか。これは、からあげの聖地・大分県中津市出身のライター松本壮平氏がお送りする、渾身のから活レポートである。

自家製塩糀ダレの旨みが濃厚な味わいをつくる

 最近は発酵食ブームなのか、さまざまな発酵食を飲食店やデパ地下などでよく見かけます。そのブームはからあげの世界にも押し寄せてきたようで、数年前から麹からあげなどが密かに人気の様子。表参道に昨年オープンした『発酵居酒屋5』は、その名の通り発酵をテーマにした、無添加・手作りなどにもこだわっているお店です。ここに「発酵からあげ」があると聞き、さっそくやって来ました。

 入り口には「発酵からあげ」と書かれた提灯が。通行人が足を止めて「発酵からあげ…?何だろうね?」と言って、お店に吸い込まれていきます。こうやって外に掲げるのは自信の証か?これは絶対食べてやる!と私も勢いよく入店しました。

〈発酵からあげ・1,000円〉はパソコンのマウスサイズの大きなからあげが3個。鶏肉を自家製の塩糀ダレにひと晩漬け込み、片栗粉と餅粉の衣を付けて揚げているのだそう。衣は少し焦げている印象がありますが、これが案外香ばしくておいしい。餅粉でふっくら感を出し、それをしっかり揚げているので、十分な存在感。歯を立てると一気に潰れ、かと言ってすぐに唾液で溶けてしまうわけではなく、口の中でさらにその存在を際立たせます。噛めば噛むほど香ばしい風味がわき出してきて、衣だけ食べても十分に楽しめるのが嬉しい。

 塩糀に漬けたせいか、ちょっと“甘しょっぱい”味。しかし濃いめの味が衣の香ばしさとうまく混じり、全体的に超濃厚な味わいです。花山椒ベースのつけダレは、そのままひと口舐めてみるとピリッとした辛味に襲われます。からあげに付けると、しょっぱさと一緒になってさらに辛くなるかと思いきや、かえって濃厚さがアップ。これだけしっかりとした味と大きさなら、3個でも十分満足できるでしょう。

 からあげは人によって、好きな味付けが異なりますが、濃いめの味付け、香ばしい食感が好きな人には、こちらの発酵からあげはおすすめです。

●店舗情報

店名:「発酵居酒屋5」

住:東京都港区南青山3-18-3-B1F
TEL:03-5413-8701
営:ランチ:11:30~15:00(ラストオーダー14:00)
ディナー:17:00~23:00(ラストオーダー22:00)
定休日:日曜

●著者プロフィール

松本壮平

ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。