この場所を選んだ理由は?
お店は鵜の木駅から1分足らずの好立地。沿線に馴染みのある人や沿線を利用する人ならまだしも、決して知名度が高いとはいえない駅です。

「蒲田を除けば、多摩川線沿いにはクラフトビールを楽しめるお店がほとんどないんです。クラフトビールファンだけでなく、馴染みのない人にもクラフトビールに触れてもらえる小さなきっかけになれば」と、この場所で開業。「数ヶ月経って実感したのは、クラフトビールに興味を持っている人がこんなにたくさんいたんだ」ということでした。
この日も近隣に勤めるサラリーマン、偶然通りかかって入ってみたという人や遠方から開店祝いにかけつけた知人などが入れ替わり立ち替わり。開栓する銘柄をSNSでチェックして、それを目当てに足を運ぶ近所の人も多いそう。

フードはジャイアントコーンやナッツ類などの乾きもののみ。「料理をしないので、それなら持ち込みOKに」という発想が功を奏して、最近では近所の美味しいメンチカツやパンなどを持参するお客さんとのローカルな情報交換も広がり、それが好循環になっているといいます。
実はトレインビューも魅力
駅近の至便さもさることながら、お店が線路沿いにあるため、トレインビュースポットとして密かに“鉄分補給”を楽しむ向きも。マイナー路線と思いきや、濃紺と黄色のツートンカラーが目を引く復刻車両「きになる電車」はじめ、鉄道好きが注目する車両編成も多く、それをビールのアテにするのもご一興です。

目の前を3両編成の電車が走るなんともいえないのどかな景色は妙にのんびりとした気分を誘い、鉄道ファンじゃなくても心地よさを覚えます。
平日の仕事帰り、おつかれさまの一杯を求めてサクッと寄り道できるのはローカルの特権かもしれないけれど、嬉しいことに土曜、日曜は14時オープン。たとえ沿線に縁がなくても、途中下車しながら町歩きを楽しむテレビ番組よろしく、鵜の木駅で降りてクラフトビールを味わうという休日の過ごし方もおすすめです。
(取材・文◎笹森ゆうみ)
●DATA
店名:BEER STAND Stoop(ビアスタンド ストゥープ)
住:東京都大田区鵜の木2-12-1
TEL:非公開
営:16:00~22:30(土・日14:00~22:00)
休:火曜
https://www.facebook.com/b.s.stoop/