辛シビが旨すぎる! 五反田『陳麻家』の「陳麻飯 特盛」を食べてきた

辛シビが旨すぎる! 五反田『陳麻家』の「陳麻飯 特盛」を食べてきた
食楽web

 五反田育ち、または五反田駅を通勤・通学で使っている人なら誰もが知っている『陳麻家(ちんまーや)』。五反田駅の周りに3店舗、あとは目黒と三軒茶屋にあり、五反田駅利用者なら誰もが知っているけれど、五反田に来ない人はその存在さえ知らない、五反田エリア限定のファストフードでありソウルフード、それが『陳麻家』の「陳麻飯(ちんまーはん)」です。

「陳麻飯」とは、簡単に言えば麻婆豆腐&ライス。「カレーライスみたいに麻婆丼を食べれたらいいなと思って始めたんですよ」と話すのは社長の松澤さん。ちなみにここで味わえるメインメニューは、「陳麻飯」、「唐揚げ陳麻飯」、「温たま陳麻飯」、「からコロ陳麻飯」、ゴハンぬきの陳麻。そして陳麻飯はハーフ300円、並700円、大盛り810円、特盛920円。つまり陳麻飯のみ! コーンスープ120円もあるけれど、陳麻飯か陳麻飯にトッピングをプラスしたもの。とっても潔いメニュー構成。

 なので、メニューに悩むことはありません。席についたら「陳麻飯」。トッピングありなしか、ハーフ~特盛のどのサイズにするか。「陳麻飯」のお供におすすめのサイドメニューはありますが、「ほとんどの人が陳麻飯。サイドメニューはほとんど出ないよ~」と社長。

「陳麻飯」700円に特盛プラス220円、トータル920円。お皿の直径はほぼスマホの2倍。器のフチギリギリまで守られた陳麻(マーボー)に山盛りゴハン!
「陳麻飯」700円に特盛プラス220円、トータル920円。お皿の直径はほぼスマホの2倍。器のフチギリギリまで守られた陳麻(マーボー)に山盛りゴハン!

 ビールもあるし、サイドメニューをおつまみにして、締めに「陳麻飯」でも良さそうなのに、と一瞬思うのですが、その理由が店にいるとわかります。ほとんどのお客さんが注文して数秒後、もう目の前に「陳麻飯」。無言で食べ進め、5分、10分後には完食。席を立ちます。早い! 立ち食いそばみたいな、いや、カレースタンドのようなスピード感。長居する人は皆無! みなさんパッと食べてサッと席を立つ。

 常連さんらしき人たちが多いせいか、注文の仕方も、「並、温玉」とか、「唐揚げ、スープも」などシンプル。そして数秒後に料理が目の前に。すごい。一切の無駄を削ぎ落とした、店と客との関係が伝わってきます。

まずは陳麻(マーボー)を一口。アツアツ、そしてほどよいピリ辛さ!
まずは陳麻(マーボー)を一口。アツアツ、そしてほどよいピリ辛さ!

 ということで、特盛を注文して10秒? 足らずで目の前に登場。山盛りのご飯の裾野に広がる陳麻の海。刻みネギの緑が鮮やかに感じます。まずは陳麻だけを一口。木綿豆腐に肉味噌、そして豆板醤、豆チ(トウチ/チは豆へんに支)、甜麺醤などで作る、四川料理の本気の味。え? これ、1,000円以下で出していいの?

「うちは中華レストラン、東京酒樓が本店でね。本店で一皿1,200~1,500円で出すような麻婆豆腐を、カレーライスのようにスプーンで気軽に食べられるように出しているんだよ」。だから、作り方は本店同様に本格的。安いからといって味や素材に妥協は一切していないとのこと。

卓上には麻辣醤、ニンニクチップ、ラー油、山椒が。さらに辛く、痺れる味に味変可能
卓上には麻辣醤、ニンニクチップ、ラー油、山椒が。さらに辛く、痺れる味に味変可能

 計測したところ、直径26cm、高さはゴハンの一番高いところで約9cm、重さは1,034g(器の重さを除く)。ほどよい辛さと痺れ、そして濃厚な旨み。なおかつ、トロミがきいたソース? タレなので、ご飯をほぼ噛まずにスイスイ食べ進めることができます。刺激があって飲みやすくて旨みたっぷりで。ってことは、1kgの特盛でも余裕で完食可能。むしろ加速がついて、スプーンでかきこむペースが進んでいきます。

「体にいいものしか入ってないよ」と語る社長の松澤さん。仕込みに時間をかけて丁寧に作っている
「体にいいものしか入ってないよ」と語る社長の松澤さん。仕込みに時間をかけて丁寧に作っている

「ウチのはね、肉味噌自体に味をつけているんだよ。担々麺に乗っている肉と同じで、醤油や砂糖で味付けして。豆腐も茹でて水抜きして。丁寧に仕込みをしているからできるまでに時間がかかるんだけれどね、出す時は数秒でお客様に出せちゃう」。
 常連客の中には卓上の麻辣醤や山椒をドバドバかけて、どんどんマニアックな味にして喜びを見出している人もいるとのこと。辛さと痺れにハマっていくんですね。なんかわかる気がします。

 ということで、途中からニンニクチップを投入。パリパリした食感がいいアクセント。さらに麻辣醤を追加したら辛さアップで白ゴハンが進む! 山椒をふると、香りがブワッと際立ち、痺れと鼻に抜ける香りが。おでこ? 頭の中から汗が吹き出してきます。体の中からカーッとしてくる爽快感も。食べ進めるウチにテンションが上がる感覚です。

勢いにのって完食。これ、ハマる人が続出しているのに納得の美味しさ。もっと早く知りたかった!
勢いにのって完食。これ、ハマる人が続出しているのに納得の美味しさ。もっと早く知りたかった!

 ちなみに、毎月12日は「トーフの日」で並が500円に。1日400人が食べにくるほど大盛況になるとのこと。でも「並んでも5分か10分で入れるから大丈夫。ウチは回転が早いからね。12日に来るのはおすすめだよ」と社長。

 ほかにも、朝11時までは、ハーフサイズの「陳麻飯」に唐揚げ1個、ザーサイ、スープがセットになった「朝セット」(480円)もあり、朝からパワーチャージしたい、シャキッと目覚めたい、というときにオススメです。

 五反田のソウルフード、そして一度食べたらその辛さと痺れと旨さにハマること確実な「陳麻飯」。これから暑くなって食欲がダウンしそうなとき、または辛シビでガッツリ覚醒したい、というときに、最強のゴハンですよ!

(撮影◎島本絵梨佳 取材・文◎石澤理香子)

●SHOP INFO

陳麻家 五反田東口駅前店 外観

店名:陳麻家 五反田東口駅前店

住:東京都品川区東五反田1-14-9
TEL:03-5420-3990
営:8:00~23:00(朝定食~11:00)
休:なし