いざ、初めての焙煎体験
そばには、あのキーコーヒーの本社がありました。なるほどキー(錠)コーヒーの前にあるから「錠前屋」なのでしょう。

店内はカウンターとテーブルが2つほどの空間で思ったよりコンパクトな印象。でも入った瞬間から、焙煎したてのコーヒーのよい香りが鼻孔をくすぐります。これは期待しないわけにはいきません。

さてこの店では焙煎体験や抽出体験のほか、焙煎機を時間貸しする「焙煎機シェア」というサービスや、注文後にローストマイスターが焙煎した豆をテイクアウトできる「注文焙煎」といったメニューもあるそう。あれこれ迷いますが、今回は初心に帰り「焙煎体験」をリクエスト。
数種類の豆の中から選んだのは「グァテマラ アンティグア」。渡されたエプロンを身に着け、いざ焙煎! さあ、炙りまくるぞ!!と思いきやガスコンロも焙煎用の網も見当たらない…。

どうすればいいの? と戸惑っているところへ登場したのが、ローストマイスターの林 稔さん。「こちらで焙煎するんですよ」と指差す先を見ると、黄金に輝く焙煎機が。なんとキーコーヒーが誇るオリジナルの焙煎機で焙煎するのだそう。

促されるままに操作モニターで予約設定されたプログラムを選択します。グァテマラの場合、仕上げ温度は195℃。これは豆の種類や量によって微妙に変わるそう。なんともハイテクです。

本体が規定温度に達したら画面にアナウンスが。「了解(ラジャー)!」とばかり豆を投入します。「えいっ」と勢いよく生豆を焙煎機へ。なぜか不必要に力が入ります。



あとは手元のチェッカーで豆の具合をチェックしつつ、いい塩梅に焙煎するのを待つのみ。しばらくすると本体からパチパチッという音が聞こえてきました。これは熱せられた豆がはぜる音だそう。こうなれば完成寸前です。

ほどなく焙煎完了。取り出し口から濃厚なコーヒーの香りとともに、褐色に焙煎された豆が勢いよく飛び出てきます。ここでこの日一番の重労働。焙煎がさらに進まないよう、豆を早く冷却しなければなりません。かき混ぜること数分。豆の熱も無事に冷め、見事焙煎終了!