【東京の名店】わずか2室のみ!特別な夜に訪れたい完全個室の『かにじぇんぬ 麻布』で「松茸と活蟹コース」を体験

松茸の芳香と活蟹の旨みが織り成す特別コース、いただきます

蓋を開けた瞬間、蟹の香りがふわり
蓋を開けた瞬間、蟹の香りがふわり

 先付は、蟹の旨みを閉じ込めた茶碗蒸し。とろんと滑らかな口当たりの茶碗蒸しは、ひと口目から蟹の甘みと出汁の上品な旨みがじんわりと広がり、体の芯まで染み入るよう。山椒のほのかな香りが後味を締め、静かな余韻を残します。

秋の彩りを少しずつ詰め込んだ前菜の盛り合わせ
秋の彩りを少しずつ詰め込んだ前菜の盛り合わせ
紅葉や秋草があしらわれ、視覚からも秋を感じる
紅葉や秋草があしらわれ、視覚からも秋を感じる

 続いて登場したのは美しい八寸の盆。まるで宝石箱を覗くような華やかさに心が躍ります。栗、銀杏、無花果、落花生、百合根、蛸柔らか煮、鱧の黄韮お浸し…。ひと皿の中に、秋の恵みがぎゅっと凝縮されています。

 蛸の柔らか煮は、ほろりと崩れるほど柔らかく、噛むほどに旨みがじんわり。鮎の骨せんべいはカリッと香ばしく、ついお酒が恋しくなる味わい。日本酒を少し口に含めば、素材それぞれの風味がさらに引き立ちます。季節の移ろいを感じながら、ゆっくりと箸を進めたいひと皿です。

氷の器は一つ一つ手作り。もはや芸術品です
氷の器は一つ一つ手作り。もはや芸術品です

生の蟹を刺身で味わう贅沢

 次に登場したのは、毛蟹の刺身。赤酒を使った特製醤油にさっとくぐらせて、豪快にひと口。ねっとりと舌に絡む食感と、瑞々しい甘みが口の中に広がり、思わず息をのむおいしさです。生の蟹を刺身で味わうのはここならでは。鮮度抜群の毛蟹だからこそ、雑味のない甘みと旨みがダイレクトに感じられます。

蟹と松茸の香ばしさが広がる [食楽web]
蟹と松茸の香ばしさが広がる [食楽web]

七輪焼の蟹と松茸。香りも味わいも至福の一言

 前菜に感動している間にも、七輪では炭火が赤々と燃え、蟹と松茸がじゅうじゅうと音を立て始めます。滴る蟹の汁が炭に落ちるたびに、香ばしい煙が立ちのぼり、部屋中に芳醇な香りが漂う。これこそライブ調理の醍醐味。目で見て、耳で聞き、香りで感じる、まさに五感のごちそうです。

すだちを搾って秋めく一皿
すだちを搾って秋めく一皿

 半生に仕上げられた蟹の身はジューシーで、口いっぱいに素材本来の甘みが広がります。

 松茸には軽く火が入り、シャクッとした歯ごたえとともに香りがふわり。すだちを一絞りすれば、柑橘の爽やかさが加わり、一層秋めいた味わいに。熱々の蟹と松茸、それぞれの旨みが寄り添う瞬間は、まさに至福です。

サクッジュワッの二段攻撃
サクッジュワッの二段攻撃

 蟹とフカヒレが共演した贅沢な揚げ春巻き。一口かじると、衣がサクッと軽やかに割れ、中から熱々の旨みがじゅわっと溢れます。蟹の甘みとフカヒレのとろみが舌の上で溶け合い、塩を添える必要もないほど旨みが飽和した逸品です。

軸を使った松茸はシャクっと歯切れ良い
軸を使った松茸はシャクっと歯切れ良い

 先ほど炭火で焼かれていた松茸が、次はしゃぶしゃぶの出汁としても再登場。

 黄金色の出汁にさっとくぐらせた毛蟹の身は、噛まずともほろほろとほぐれていきます。そこに松茸の香りが溶け込んだ出汁が絡み、まさに秋そのもの。

キャビアと蟹味噌が出会う贅沢一口パン
キャビアと蟹味噌が出会う贅沢一口パン

 和食店では少し意外な、パンを使った一口の箸休めも。こんがりと焼かれた小さなトーストに、マスカルポーネチーズと蟹味噌、蟹のほぐし身、そして黒キャビアが美しく重ねられています。一口で頬張ると、全ての食材が重なり合い、上質な蟹クリームコロッケのような味わいに。 洋のエッセンスを取り入れた、遊び心ある一皿でした。