パワフルなのにマイルド。『喜楽』のワンタン麺に舌鼓

店頭に到着すると、ご覧の通りの大行列。数えてみると12〜13人ほど並んでいます。ニューオープンならまだしも、創業72年の町中華で、こんな行列ができるなんて……びっくりしました。気を取り直して最後尾につき、食べるメニューを考えることに。

こういう時はネットの口コミを確認するに限る……と思ってスマホで検索してみると、老舗だけあって、口コミがこれまた途方もないほどの数あります。麺類にすることだけは決めていましたが、人によってオススメがまったく違うので少し悩みました。
中華麺、タンメン、チャシューメン、はたまたチャーハンや餃子、中華丼。肉ニラ、肉もやし、ピータンなどの一品料理などなど。どれもこれも美味しそうだなぁ、と迷っているうちに、あっという間に行列の最前列に到達。結局、15分ほど待っただけで入店できました。
最終的にオーダーしたのは、「ワンタンメン」(950円)。ざっと見た限り、口コミの数がもっとも多かったのがこのメニューだったからです。

着席して5分もたたないうちに丼が到着。思わず「多っ」と声が出てしまうくらいボリューミーです。大きな肉ワンタンが6個、その下には大量のモヤシ。
さらに厚めのチャーシュー1枚と味玉半個。周りには香油の浮かんだスープ。そして何よりも麺の存在感に圧倒されます。具材をかき分けて麺を引っ張り出すと、どっしりした中太麺がお目見え。とにかくゴツいです。

これは相当お腹いっぱいになるぞ、と覚悟を決めて、実食にかかります。
まずはスープ。醤油スープに焦がし玉葱がたっぷり浮かんでいます。ガツンとしたスープに負けない中太麺をワシワシワシとすすります。パワフルなスープですが、ギトギト感はなく、かといって醤油や塩の尖った感じもなく、実にマイルド。優しいのに力持ち、と言いますか、ちょっと不思議な感覚のラーメンです。
まとめ

大きなワンタンは、皮が厚めで、肉もどっしりしています。最初にスープ沈めておくと、汁を吸ってほどよくやわやわな食感に。このワンタンと焦がし玉葱のスープとの相性がバツグンなのです。
大量のもやしも、太い麺も、でっかいワンタンもあれよあれよという間になくなりました。お腹はパンパン。でも胃がもたれる感じはゼロ。とくに焦がし玉葱のスープが美味しいので、満足感があって、翌日にはまた食べたくなる……。
この中毒性が“喜楽の味”であり、行列が絶えない理由なのだと思います。というわけで、友人の言っていた“渋谷でラーメンといえば喜楽”という意味がよくわかりました。まだ食べたことがない人は、行列にひるまず(回転は早いので)『喜楽』に行ってみてください。
(撮影・文◎如雨露)