
大阪のスパイスカリーには“間借りカレー屋”が多い。夜のみ営業するバーなどの店舗空間を間借りして、ランチ時だけ開店するスタイルだ。東京でも徐々に増えてはいるが、大阪に比べるとまだまだ少なめ。
今回、ご紹介する新宿の『サンラサー』は、2017年2月から9月までゴールデン街でバーを間借りし、ランチタイム限定で営業するカレー店だった。ところが、あっという間に界隈で評判を呼び、さらにカレー業界でも話題となって、昨年12月1日に間借りから卒業。新店をオープンした。
トントン拍子に出世した『サンラサー』のカレーはきっと縁起がいいに違いない……。というわけで、2018年の“カレー初め”はこちらから訪ねることに。

場所は、花園神社近くにあるビルの2階。扉を開けると、そこはバーカウンターのみの細長い空間だが、大きな窓から陽がたっぷりと入り、青一色で塗った壁が印象的な明るい空間。ちょうど、店主の有澤まりこさんが、常連らしきお客さん数人と楽しげにカレー談義をしていた。有澤さんのちゃきちゃきした声とお客さんの笑い声で、お店の空気はとても柔らかい。

店内の黒板メニューを見ると、「1日30食限定、そのうち10食は前日15時~先着予約制」と記されていた。ふむふむ、当日、食べられるのは20食のみということか。
カレーは日替わりで2種類あり、その日は「ブラックペッパー薫るキーマカレー」と「冬瓜とチキンのカレー」だった。1種盛り(900円)と2種盛り(1,200円)が選べる。さらにその下に“ウールガイ”と書いてあり、「人参」(200円)、「ゆず」(200円)、「砂肝」(300円)と続いている。
「ウールガイって何ですか?」と聞くと、「南インドではお漬物もののことをそう呼ぶんですよ」と教えてくれた。「砂肝が漬物?」と少々不思議だったが、とりあえず2種盛りカレーとウールガイを注文。

有澤さんを眺めていると、ものすごく手際が良くて気持ちいい。ささっとカレーを作って盛り付け、パッと出す。では、さっそくいただきます。
