「#とじないカツ丼」は一体どんな味?

まず店頭に券売機があります。カツ丼メニューは3種類。「並ロース(三元豚)」、「上ロース(国産ハーブ豚)」、「極上ロース(東京エックス)」。豚の種類がそのままグレードに反映されているわけですね。
ちょっと迷いましたが、今回は中間の「#とじないカツ丼 上ロース国産ハーブ豚」(1900円)をセレクト。「超オススメ」というPOPの文字に背中を押されて「黄身乗せ龍のたまご」(200円)も追加しました。
カウンター席に座り、待つこと10分ほどでカツ丼が登場。丼のフタは立てかけるように添えられています。もちろん、トンカツ自体は卵でとじられていません。そしてトンカツにはタレのようなものがかけられています。

さっそくいただきましょう。まずはトッピングの卵の黄身をのせてみます。エッグセパレーターで黄身と白身を分けて、トンカツにのせます。これがけっこう難しい!

うまくのせられずに黄身をトンカツから滑落させてしまうお客も多いそうですが、筆者の場合は、なんとかうまくのってくれました……と思いきや、数秒後にはツルリと滑り落ち、満月のように美しい黄身を拝めたのはほんの一瞬でした。写真が撮れてよかった!

とにもかくにも、まずはトンカツを実食。国産ハーブ豚のロース肉は嬉しくなるような分厚さ。卵でとじていないので、当然ながらダシの味はしません。しかし甘辛系のタレが、その代役を見事に果たしています。衣のサックリした歯ざわりも、とじていないカツ丼ならでは。イイですね~。

豚肉にかぶりつくと、一瞬キュッと歯を締め付けるような弾力を感じたのち、すぐに強力な油圧ショベルのように、前歯がズズンと肉に沈み込んでいきます。豚肉の旨みと甘みをしぼり出しながらザックリとカットされる肉。そこにタレと黄身の味が見事にからんで、コクのあるマイルド感を出してきます。
うん、これはウマい! 卵でとじていなくても物足りなさなど少しも感じません。生卵の黄身とタレがいい働きぶりを見せてくれます。トンカツの味をしっかり引き立てていますね。

トンカツとご飯の間にはフワフワのオムレツ状の卵が敷き詰められています。これがまた旨い。出汁が効いていて、そこにタレも絡んでいるので絶品なのです。ご飯と一緒に食べてみると、和風オムライスといった印象で、これだけでひとつのメニューとして成立しそうです。
まとめ

食べ終えると丼の底には「幸せッ」の文字が。たしかにこの満足感、シアワセ以外の何物でもありません…!
いま流行りの卵でとじていないカツ丼、素直にウマいですね。もちろん、オーソドックスなカツ丼とは違う美味しさですが、生卵の黄身とタレで十分に満足できるし、新たなカツ丼の世界を見ることができるのも楽しい。
カツ丼好きとしては非常に幸せなひとときでした。次回は黄身を3つくらいオーダーして食べてみようと思います。どんな味になるのか、期待がふくらみます。
(取材・文◎松本壮平)