藻塩の旨みが舌をとろけさせる絶品からあげ

金賞を受賞したのは「旨塩からあげ」です。2個と4個がありますが、ここは当然4個(548円)をチョイス。同店の人気メニューである「手羽先盛合せ」(5本・768円)とともにいただくことにしました。
まずは「旨塩からあげ」。コロンとしたルックスがかわいらしい。ゴルフボールのような真ん丸です。揚げる前に丁寧に成形しているのだとか。最近はこうした真ん丸からあげを見る機会が増えましたよね。これは美しいだけでなく、揚げるときに肉に均等に熱が入って絶妙な揚げ具合になるのもメリット。

ひと口ガブリといくと、いきなり塩の旨みに襲われます。塩味が実にイイ! 聞けば、淡路島の藻塩を使った漬けダレにひと晩しっかりと漬け込んでいるそうです。かすかに甘みも感じる、美味しい塩の味わいが口の中で乱反射。上顎や舌の裏にまで拡散された旨みが舌の上に跳ね返ってきます。暑い日に汗をかいたあとに食べたくなるような、爽やかな味ですね。

衣はカリカリ食感で、これまた秀逸なウマさ。油っぽさもなく、肉には弾力の中にもフワッとやさしく歯を受け止める柔らかさも感じます。食べ終えて、4個で正解だったと実感。2個ではとても足りません!
5色5味の肉厚手羽先からあげも美味い!

手羽先からあげは5種類の味。赤:唐辛子入りスパイス、黄:カレー、緑:あおさ、黒:黒胡麻、白:塩の5色です。串に刺さって、ピンと伸びたルックス。食べるこちらも思わず背筋がピンと伸びます。いずれも肉厚で、チップの部分まで美味しい。可食部豊富な手羽先からあげです。
「唐辛子入りスパイス」はビリッとくる刺激を予想しましたが、意外に丸みのある辛さ。食べ進むうちにそれがジワジワと強くなっていき、額には汗もジワジワ。「カレー」は甘みを感じるスパイシーな味わい。これは子どもに人気がありそうな味わい。

そして「あおさ」はほのかに磯の風味もただよう爽やかな和テイストです。「黒胡麻」はゴマの旨みと甘みがコクを加えています。「塩」はシンプルですが、さっぱりとしていて実に味わい深い。筆者的にはこれが一番好きでした。
まとめ
というわけで、『大衆食堂 安べゑ』の「旨塩からあげ」は、まさに金賞の名にふさわしい美味しさでした。あっさりしていながら塩の旨みが舌もおなかも心も癒してくれる味です。
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。