気になる進化系ザンギの味わいやいかに?

いただいたのは「コッコちゃんの塩ザンギ・普通盛」と「コッコちゃんの札幌カレー塩ザンギ」(いずれも5個・548円)。普通盛とのことですが、けっこう大きめサイズです。

まずは塩ザンギからいただきます。極薄ながら、モッチリ感のある衣の香ばしさに魅了されつつ歯を入れていくと、ムネ肉とは思えない柔らかさ。その一方でムネ肉らしい弾力はしっかりあります。ひと噛みし、そしてふた噛み目にはそれがいきなりフワッとした食感に変化。歯が沈み込んでいくような低反発まくらのような食感。こんなムネ肉は初めてです。

あっさりめの塩味で、噛むほどに肉の旨みがにじみ出てきます。その旨みが舌にからみ付くようでこれまたクセになりそうな舌感覚。断面からジワッとしみ出す肉汁が店内の照明に照らされてキラキラ輝いています。
しょっぱなから興奮してしまいましたが、いったん心を落ち着け、続いて「札幌カレー塩ザンギ」を実食。まず香りがたまりません。食べる前から「ウマい!」と言ってしまいたくなるほどのスパイシーでコク深い香り。舌ではなく鼻がピリッとした刺激を感じてしまうようで、嗅覚経由で胃袋が騒ぎ始めます。

しかし口にしてみると、想像したほどの刺激はありません。ほんのりまろやかスパイシー、といったところでしょう。衣にカレーペーストを練り込んでおり、揚げたあとにオリジナルのスパイスをふりかけているとのこと。香りもよかったのですが、味はもっとよし。

コクのあるカレー風味があっさりしたムネ肉によく合います。店長の中島駿輔さんによると、同店の系列店のカレースパイスをこちらの塩ザンギに応用してみたところ抜群に美味しかったため、メニュー化したのだそうです。お見事ですね。
進化系ザンギはほかにもある!
あれよあれよという間に10個のからあげを完食してしまった筆者。どちらも抜群にウマい! ザンギを食べられるお店は全国に増えていますが、しかしムネ肉の、しかもカレー味とは珍しい。
ちなみに、これ以外にも「イカスミ塩ザンギ」や「紅生姜ザンギ」などもあります。ここまでいろんなバリエーションを楽しめるのは、あっさりしたムネ肉だからこそ。旨みや脂感が強いモモ肉とはひと味違う美味しさを堪能できました。
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。