九谷焼のインディーズ! 作家・田辺京子さんの唯一無二の世界観

タカハシさんの食器棚は左右で雰囲気のまったく異なる器が並んでいます。食器棚の右側には仕事で使う食器を、左側には普段使いの和食器などが楽しげに重ねられていました。
「一時期、仕事用に白っぽい器をいっぱい揃えていたんですけど嫌になっちゃって(笑)。今残っているのはボウルだけ。最近は色のあるものを使ってますね」(タカハシさん)
フランスなど海外に行った時の雑貨屋などで手に入れることも多いのだとか。「乱暴に使えるように高いものは買ってないの。食洗機にかけられるのがポイントで、表面がツヤっとしたお皿が多いですね」

そんなタカハシさんが普段、愛用しているのは和食器。
「和が好き! 骨董あり、元々実家で使っていたものもあり、漆器なんかもあります。人が来るように大皿もね」
そう話しながら、見て見て! これロックでしょ! と見せてくれたのが九谷焼作家・田辺京子さんの器たち。

「九谷焼のインディーズ! この柄、ロックでしょ〜」と楽しそうなタカハシさん。田辺さんの器は形も絵柄もパンクで、面白みにあふれていて、昔の少女漫画が転写されたものなど、とにかく奇想天外! それでいてちゃんと九谷焼の要素が入っているのが素晴らしいんです。


さらにおすすめしてくれたのが、陶芸家としても才能を発揮した北大路魯山人が作陶したナマズの器をモチーフにした器。多くの作家がリスペクトを込めて作っていて、人それぞれの個性が発揮されています。
人気器作家・菅野一美さんのモノトーンな器

こちらは菅野一美さんという作家さんが、描き落とし技法で製作した白と黒のモノトーンな器。シンプルな色合いなのに、個性が際立ち、どんな食材も料理も受け止めてくれます。

「和食器ってストーリーがあって面白いし、元気もくれる。盛り付けて食べ終わって、絵柄にギョッとしたり(笑)。そういうウフウフするモードが楽しいんです」
かなり個性的な器たちだけど、使っていて飽きないですか? と聞いて見たら、「飽きそうかなと思うんだけど、それが全然飽きないの!(笑)」
色とりどりでロックな器、箸置き、伝統を踏襲しながらも斬新な漆器。タカハシさんの食器棚には和食器の楽しみがいっぱい詰まっていました。
「お気に入りの器屋さんにも行くし、平和島の骨董祭りや護国寺、小さな骨董市、金沢に出かけたりして気に入ったものを手にしてます」
みなさんも恋するような器に出会い、楽しい食卓を囲んでみてください。

(撮影◎橋本真美、取材・文◎草地麻巳)