【クラフトビール】今すぐ行くべきビアパブ&レストラン2017

気軽に楽しみたい
ポートランドビール

PDX TAPROOM@東京・渋谷

「バッファローチキン」900円。HUB「レッド・チェリー・サイダー」1,100円

「バッファローチキン」900円。HUB「レッド・チェリー・サイダー」1,100円

 大学時代をアメリカのビール王国・オレゴン州ポートランドで過ごした店主の平松さん。「あちらではカフェのように気軽にビールの店へ行くんですよ。そんな場所を作りたくて」と笑う。

 ビールはもちろんポートランド中心。銘柄は随時入れ替わるが、現地には約60か所もブルワリーがあるそうで、ビールのバラエティは尽きることがない。

 「IPAとかサワービールとか、それぞれのブルワリーが得意分野のビールを様々に作っているんです」と平松さん。この日は瓶内二次発酵させたハイアルコールの“ヘアー・オブ・ザ・ドッグ”が入荷したところだった。ビール以外に夏はハードサイダーと呼ばれるシードルを定番で出す予定。リンゴの産地でもあるオレゴンでは、美味しいクラフトサイダーを多く作っているのだ。

 太陽がまぶしい昼下がり、フレーバーをつけた爽快なサイダーやビールでブレイクする。それは楽しい休日の始まりの予感。

ビールは1/2パイントで700円。銘柄は少しずつ入れ替わる

ビールは1/2パイントで700円。銘柄は少しずつ入れ替わる

●SHOP INFO

PDX TAPROOM

店名:PDX TAPROOM

住:東京都渋谷区神宮前5-30-2 2F
TEL:03-6450-5455
営:15:00~23:00(料理22:00LO)土・日・祝12:00~ 23:00(料理22:00LO)
休:不定休
予算/3,500円 個室/なし カード/可
http://www.pdxtap.com/

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居酒屋メニューの
ペアリングに挑戦!

Baird Takadanobaba Taproom

串揚げは150~300円。左から「いかトンビ」「エリンギ」「黒はんぺん」「馬車道ベーコンとうずらの卵」「紅しょうが」

串揚げは150~300円。左から「いかトンビ」「エリンギ」「黒はんぺん」「馬車道ベーコンとうずらの卵」「紅しょうが」

 クラフトビール愛好家には「ベアードビール」のIPAが、その入口だったという人も少なくない。あの豊潤なホップの苦み。他にも様々なスタイルのビールで楽しませてくれる同醸造所だが、直営店で提供される多彩なマリアージュも魅力のひとつだ。

 2016年5月に開業した高田馬場店は5つ目の直営店。焼鳥、BBQなど店ごとで料理のコンセプトを変えているが、今度は串揚げをメインに据えた。

「沼津ラガー」はいかにもそれに合いそうだが、高田馬場オリジナル、ハンドポンプで供する「馬場オートミールスモークポーター」とはどうか。焙煎香が穏やかで、串揚げの味わいにそっと寄り添い、うん、なかなかの好相性だ。

 「社長が居酒屋好きなので、こんな試みも」と店長の松宮邦明さんが指差すのが「季節限定のお造り」の品書き。直営店では初めてお刺身なども提供する。新たな挑戦ができるのも、自社のビールに絶対の自信があるから。ベアードの懐深さを改めて思い知る新店だ。

左から「馬場オートミールスモークポーター」1パイント1,000円、「ライジングサン ペールエール」(500ml)1,000円、「帝国IPA」(500ml)1,000円

左から「馬場オートミールスモークポーター」1パイント1,000円、「ライジングサン ペールエール」(500ml)1,000円、「帝国IPA」(500ml)1,000円

●SHOP INFO

Baird Takadanobaba Taproom

店名:Baird Takadanobaba Taproom

住:東京都新宿区高田馬場3-2-14-2F
TEL:03-5332-7795
営:17:00~24:00 土・日・祝12: 00~
休:なし
予算/3,000円 個室/なし カード/可
http://bairdbeer.com/ja/tap/takadanobaba.html

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再生された古民家のパブで
開放感に満ちたビール時間

谷中ビアホール@東京・谷中

「谷中ビール」M900円。エッグ、ベーコン、チーズの「スモーク盛り合わせ」は600円。(右)アウグスオリジナルの樽生にシロップを足した「ジンジャービール」900円と「焼きバター枝豆」300円

(左)「谷中ビール」M900円。エッグ、ベーコン、チーズの「スモーク盛り合わせ」は600円。(右)アウグスオリジナルの樽生にシロップを足した「ジンジャービール」900円と「焼きバター枝豆」300円

 古民家でクラフトビール。ありそうでなかった組合せである。昨年3月に開店して以来、そのマッチングの妙が多くの来訪者を魅了している。

 提供される樽生は4種。いずれも「アウグスビール」醸造のものだが、「谷中ビール」は同店の限定品。麦とホップの量を同醸造所のピルスナー比で2倍にしたリッチな飲み口だ。「ウィスキーのようなビール」と評するのは、おかみの田中喜和子さん。谷中という場所柄、散策途中の観光客など普段はクラフトビールと接点のないお客も多いが、その魅力を知るきっかけになれば、と丁寧な説明を交えて、接客に努めている。

 併せて好評なのが、伊賀焼窯元「長谷園」の土鍋で作る燻製。ビールに合うのはやはりBBQ、しかし古民家ゆえ防災上難しい……、ならば、と思いついたメニューだ。晴天の日は開放感ある中庭もよし。ビール片手に燻製を摘めば、確かにちょっとしたBBQ気分に。古民家の新たな魅力の発見だ。

昭和13年築の古民家を再生した複合施設〈上野桜木あたり〉の中に立地する

昭和13年築の古民家を再生した複合施設〈上野桜木あたり〉の中に立地する

●SHOP INFO

谷中ビアホール

店名:谷中ビアホール

住:東京都台東区上野桜木2-15-6
TEL:03-5834-2381
営:12:00~20:30(20:00LO) 土・日・祝11: 00~
休:月曜
予算/1,500円 個室/なし カード/不可
https://ja-jp.facebook.com/yanakabeerhall/

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毎日通えて
ちょっと特別

riddle. Coffee & Bar@東京・大塚

「バベットステーキ」(170g)1,728円。増量はリクエスト可。自然農法の野菜を驚くほどたっぷり添えて

「バベットステーキ」(170g)1,728円。増量はリクエスト可。自然農法の野菜を驚くほどたっぷり添えて

 コーヒー好きとワイン好き、そしてクラフトビール好きには共通項がある。ここはそのツボをピンポイントでついた、ありそうでなかった1軒。

 朝11時から夜まで休みはなく、1日中カフェもお酒も食事もご自由にというスタイル。お酒の配分はクラフトビールとナチュラルなワインが半々、〆はバリスタが淹れた美味しいエスプレッソで。

 クラフトビールはタップが3つ。ボトルが豊富で、アメリカ・ポートランドを中心に西海岸、ノルウェーやカナダ、日本が少々。ちょっと個性的なものが多いのは、「大塚はクラフトビールのお店が多いから、この店らしさを出していきたい」という理由だ。あえて泡系のグラスワインを置かないのは、ワイン好きにもビールを楽しんでもらいたいという想いから。

 ビストロ顔負けな大きなポーションの料理は頼もしく、しっかり食べたいときも十分満足できる。外のテーブルで、夏の夕暮れにサッとビールをあおるのも楽しい。

左)1.時期によって内容が変わる「riddle.サラダ」1,134円。金柑を使った「ブレークサイド」のサワーエールと合わせたい。(右)個性があっても飲みやすいバランスのビールが中心。750mlの瓶をグラス売りすることも

(左)1.時期によって内容が変わる「riddle.サラダ」1,134円。金柑を使った「ブレークサイド」のサワーエールと合わせたい。(右)個性があっても飲みやすいバランスのビールが中心。750mlの瓶をグラス売りすることも

●SHOP INFO

riddle. Coffee & Bar

店名:riddle. Coffee & Bar

住:東京都豊島区南大塚3-47-8 赤尾ビル1F
TEL:03-6912-8331
営:11:00~24:00
休:年末年始
予算/1,000円 個室/なし カード/可
http://riddlecoffeeandbar.wixsite.com/home

(撮影◎貝塚隆、島誠 取材・文◎岡本ジュン、岡野孝次)