
今年で3年目となる「四川フェス 2019」が4月20(土)・21日(日)が、新宿中央公園で開催されます。来場者数のべ10万人を超え、本場・四川の味伝えてきた大人気フェス。その仕掛け人の一人、麻辣連盟総裁・中川正道さんに、四川料理の魅力について語ってもらうカウントダウン企画。
とにかくめちゃくちゃご飯がすすむ
日本人がよく知っている四川料理といえば、麻婆豆腐や回鍋肉、青椒肉絲といった料理ではないでしょうか。共通するのは、そう、白いごはんがすすむ料理だということ。
どれも豆板醤の辛味やニンニク、生姜、脂をたくさん使うのが特徴で、ごはんと共にがっつり食べるというのが、四川料理の魅力の一つでもあるんです。

ちなみに、中国は面積が広いこともあり、南方はお米文化、北方は小麦文化といった具合に分かれます。北の主食は小麦を発酵させ膨らませた饅頭(マントウ)や麺。例えば、餃子も主食の一つなので、小麦の皮は厚くかなりのボリュームがあります。
対して、内陸の四川省や湖南省の主食はお米です。中国では“ごはんがすすむ”というのを「下飯(シャーファン)」と言いますが、15年間以上、毎日四川料理を食べているぼくの見解でも“めちゃくちゃごはんが食べられる”料理です。
四川のごはんの特徴とは?

四川料理はごはんが進むから、さぞやお米がおいしいのでは? と思うかもしれませんが、日本人がイメージするもちもちでみずみずしいお米とは真逆のお米です。脂っこい料理のその旨味を吸い込むようなパサパサのお米。食感もみずみずしさとは程遠い。香りも独特。
そんなパサパサごはんの上に料理を載せた丼物スタイルを「蓋飯(ガイファン)」と言います。蓋飯はご飯の上に具をかけた物の総称で、例えばカツ丼は「炸猪排蓋飯」(ザーチュ─パイカイファン)」天丼は「炸蝦蓋飯」(ザーシャーカイファン)」と読みます。
ぼくが四川に留学していた時によく食べていたのがこの「蓋飯」。3輪の大型自転車の後ろにガラスケースを載せたような屋台に、炒め物を数種類並べてあり、紙の丼に入ったごはんの上に好きなおかずをぶっかけた料理です。
これが素朴で気軽で、本当に美味しいんです。今でも中国の田舎の駅で駅弁を買うと似たようなスタイルで販売しています。
四川フェスのおすすめのご飯もの
さて、今回の「四川フェス2019」で登場する丼もの、ご飯ものは6品ほどあります。
『ファイヤーホール4000』(五反田)の「燃飯」

『上海香火鍋 新天地』(六本木)の「旨煮丼」

『品品香』(池袋)の「魯肉飯(辛口)」

『品品香』(池袋)の「粽子(ちまき)」

『川香苑(新宿)』の「エビチリ丼」

また、今回は芝生エリアの物販で出店する『田中農園』さんが「プリンセスかおり米ごはん」を出品します。

このお米は「インドで主流のバスマティライスとコシヒカリの大粒突然変異株を継承した鳥取生まれの香り米」とうたう謎のお米なんです。とにかくこのお米、ものすごくアジアっぽいんですよね。
香りは中国やアジアの屋台を彷彿させ、食感は日本のお米のようにふっくらもちもちで美味しい、非常におもしろいお米です。鳥取からわざわざ四川フェスのために来てくれます。この不思議なごはんに本場のラー油をぶっかけて、がっつりと食べてみてください。ハマりますよ!
(取材・文◎土原亜子)
●DATA

「四川フェス2019」
開催日時:2019年4月20日(土)11:00~17:00、4月21日(日)10:30~17:00
会場:新宿中央公園(東京都新宿区西新宿2-11)
※料理は売切れ次第終了
四川フェス2019 公式サイト
https://meiweisichuan.jp/sisen-fes2019
四川フェス実行委員会は3月22日から四川料理クラウドファンディングを開始しています。
https://camp-fire.jp/projects/view/131659
●プロフィール

中川正道
四川省公認の四川料理の専門家、麻辣連盟総裁、時色株式会社代表兼デザイナー。2002~2006年まで四川省に滞在、四川料理に魅了される。2012年に単身、四川省へ行き、四川の仲間たちと200店舗の四川料理店を食べ歩き「おいしい四川」サイトをリリース。2014年夏に日本初!四川料理食べ歩きガイドブック「涙を流して口から火をふく、四川料理の旅」を出版。2日間で6.5万人を動員した四川フェス主催。これまでの活動が実を結び、2018年のマー活、花椒がブームに。「今年の一皿」ではしびれ料理が準グランプリになる。