“奇跡のリンゴ”の物語から5年。その精神を受け継ぐお米「木村式自然栽培米」とは？

　みなさんは2013年に公開された映画『奇跡のリンゴ』を覚えているでしょうか？　時は1970年代、青森県のリンゴ農家・木村秋則さんは、農薬による体調不良に苦しむ妻・ 美千子さんのために、無農薬のリンゴ栽培に挑みました。それは当時の常識では「絶対に不可能」とまでいわれた無謀な挑戦でした。失敗を繰り返し、それでも見えぬ答え。木村さんは絶望し、自ら命を絶つことを決意。そして最期の場と決めた岩木山に向かう途上で、自生する一本のリンゴの樹を見つけたのです。山の中で、堂々たる姿を誇る樹。その樹をヒントに、木村さんの夢はついに実を結ぶ──。

　書籍化、映画化もされ人々の心を動かした“奇跡のリンゴ”の物語ですが、実は今度は「木村式自然栽培米」として、新たな奇跡を生み出しているんです。

木村式自然栽培によって育てられた“奇跡のお米”

　木村さんの自然栽培のメソッドを米づくりに導入したのは、岡山県倉敷市の契約農家。「自然栽培で日本の食を変えたい」という木村さんの思いに共感した「NPO法人岡山県木村式自然栽培実行委員会」が中心となり、木村さんやJA岡山と連携。県内の農家に指導、審査、認証を行いながら、普及を推進しています。

　しかし、それは単純な話ではありません。農薬、除草剤、化学肥料、有機肥料不使用。野山の落ち葉や鳥獣の糞を微生物が分解、それを肥料として作物を育て、太陽、空気、水、土壌といった自然そのものの仕組みを活用する自然栽培。当然、自然条件の影響を強く受けます。その土地の自然を深く知り、適切な手入れを欠かさぬことが、この自然栽培の要となるのは言うまでもありません。

　ただし、苦労の分だけ恩恵があるのも事実です。第一に化学成分を使用しない「安心・安全」。そして、自然栽培で育った植物が本能で根を強く張り、土中の養分を吸収することで、作物自体がたっぷりと美味しさを蓄えること。

　さらにこの自然栽培には品種改良されていない希少な岡山県の在来品種「朝日」を用いているのです。化学成分を一切使わずに育てられた、自然本来の力で育てられた朝日米。自然栽培というこだわりは、如実に味や美味しさとなって現れています。そのふくよかで、かつあっさりとした味わいは、まさに奇跡と呼ぶにふさわしいものです。

　ラインナップは、玄米と精米、レトルトパックの3品。“奇跡のリンゴ”で知られる木村秋則さんの指導で、農薬、除草剤、肥料を一切使わずに育てられた“奇跡のお米”を、ぜひ自宅で味わってみてください。