人、国、職人芸を「リンク」する特別なお酒
まずはこの「リンク 8888」という不思議なネーミングの由来からご紹介しましょう。シーバスリーガルと満寿泉の出会いは、2017年1月にシーバスリーガル主催のビジネスアワードにて中田英寿氏が受賞したことから始まります。
中田氏はJAPAN CRAFT SAKE COMPANYという会社の代表を務めており、同社では日本酒の酒蔵や銘柄、文化を世界市場に発信しています。2017年には中田氏が満寿泉を使用した「キットカット ミニ 日本酒 満寿泉」を発売しており、いまや日本を訪れる外国人観光客が選ぶお土産の定番に。そんな中田氏を介して、シーバスリーガルが桝田酒造店を紹介してもらい、今回のプロジェクトがスタートしました。

この「8888」という数字は、スコットランドのキースにある蒸溜所と、富山県の桝田酒造店の距離。そして、人と人や職人芸といったさまざまな“リンク”を「8」の数字が感じさせてくれます。
ウイスキー樽で熟成した4種類の日本酒をブレンド
シーバスリーガルは、個性の異なるモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドして作られます。このブレンドのことを同社では“アート・オブ・ブレンディング(ブレンドの妙)”と呼び、まさにシーバスリーガルの真骨頂なんです。

今回は、シーバスリーガル原酒の熟成に12年以上使用したアメリカンオーク樽をスコットランドから日本に送り、その樽で4種類の異なる日本酒を熟成させ、絶妙なバランスでブレンドさせた日本酒を作ったそうです。瓶詰めされたのは全部で250本。そして、そのうち50本が桝田酒造店で販売されています。

これまでもウイスキー樽で熟成させた日本酒は世に出ていましたが、いずれもウイスキーの香りが強く、日本酒が負けてしまっていたそうです。そんな背景を踏まえて、今回のリンク 8888では、山田穂、山田錦、玄米などを用いた原酒を用意しています。玄米を混ぜているので「純米大吟醸」ではないものの、その割合は少ないので、純米大吟醸と言えそうなレベルに仕上がってます。
実際に飲んでみたところ、想像していたよりも樽香が控えめで、きちんと「日本酒」であることがわかる味わいでした。全体的な印象としては、はちみつのような甘みがあり、少しクリーミー。このクリーミーさは玄米によるものらしく、ほのかなスコッチウイスキーの香りとともに余韻が楽しめます。

よく冷えたときと少しぬるくなったときで味わいが異なり、温度が上がることでよりふくよかさが感じられました。また、数年寝かせることでさらにおいしくなるのではないかと、桝田酒造店の社長・枡田隆一郎氏は話しています。
お披露目の試飲会では、そんなリンク 8888と一緒に「米麹でマリネした豚ロース肉のロースト 黒酢のソース」が提供されました。程よく脂ののった豚ロースと黒酢の組み合わせは少し中華風で、甘みのある日本酒とはぴったり。リンク 8888を飲んでいると、「日本酒なんだけど日本酒じゃない。初めて出会う新ジャンルの日本酒だ」と思えます。

満寿泉の繊細な味わいは洋食とのマリアージュにぴったり
今回のイベントでは、リンク 8888以外にも、満寿泉を代表する日本酒をいただきました。上品さの極みのような純米大吟醸、全麹を使うことで熟したワインのようなもの、デザートワインのような貴醸酒です。 普段なら個性が強くて敬遠しそうなものの、合わせる料理次第で感じ方がまったく変わるんですね。






販売は50本とお伝えしましたが、実はリンク 8888をバイ・ザ・グラスで楽しめるお店が都内に期間限定で登場します。いただけるのは、六本木の「Mercedes me Tokyo UPSTAIRS」で開催される「CHIVAS REGAL Experience at Mercedes me Tokyo」内。12月19日から2019年1月9日まで、1杯1000円で希少なこの日本酒を体験できます。
シーバスリーガルと満寿泉という、ブレンデッドスコッチウイスキーと日本酒の代表がタッグを組んだこのお酒、飲まないわけにはいきません!
(取材・文◎今西絢美)
●SHOP INFO

店名:Mercedes me Tokyo UPSTAIRS
住:東京都港区六本木7-3-10
TEL:03-3423-8775
営:ランチ11:00~16:00(L.O.14:30)、 ティータイム15:00~18:00(L.O.18:00)、ディナー18:00~23:00(L.O.22:00)、バー11:00~24:00(L.O.23:00)
休:年末年始 ※貸切イベント等で入場できない場合あり
https://success-is-a-blend.chivas-regal.jp