「パスタは誰でもプロの味を再現できる最高の料理です」

「もともとパスタが大好きで、最初に修業したのが”パスタの神様”と呼ばれるシェフのお店だったこともあり、自分のなかで大事な料理の1つ。いつかパスタのレシピ本を出したいと思っていて、コロナ禍のときにYouTubeで紹介したレシピを通してノウハウも溜まったので、そろそろ出すタイミングかなということになりました」(鳥羽シェフ、以下同じ)
この2~3年でパスタレシピの研究を重ね、精度を上げたという鳥羽シェフ。今回のレシピ本では、揃えやすい材料と家にある調理道具で、定番の味もプロの味も再現でき、なおかつ「絶対においしい」ことを重視した、自身の集大成の1冊なのだそう。
「例えば、和食なら出汁をひく、フレンチならフォンドボーを煮込む……みたいに、本格的に作ろうとすると再現性のハードルが高くなってしまう。でもパスタなら、スーパーでだいたいの食材が揃って、定番もプロと同じようなレシピもおいしく再現できるんです。そのポイントを抑えて、製作スタッフ全員がおいしいと納得した全55品を紹介しています」
定番もワンパンもレストランっぽいパスタもこれ1冊で失敗知らず

掲載された全55品は「ワンパンで作れるパスタ」「どこにでもある食材で簡単に作れるパスタ」「プロの味を家庭でも再現できるレストランパスタ」という3つの章で構成しています。
「フライパン1つで作れる“ワンパン”レシピは、洗い物が少なくなるのがいいと思われがちですが、実はそうじゃなくて。茹でるときにめんつゆや白だし、コンソメなどが入ることで8~9割、味が決まるので、誰が作ってもほぼ失敗がない、茹でるだけでおいしくなる。実はこれが魅力なんです」

「知っているようで知らない定番レシピは、イタリア料理というよりも、日本で作りやすいようにある程度チューニングしています。ペペロンチーノやボンゴレ、カルボナーラなど成功率と再現性が高いレシピに仕上げました。プロのレシピは、ほとんどが実際にお店で出しているもの。家で作るという意味ではちょっと背伸びしたところはありますが、これも再現性が高いので、ぜひ作ってもらいたいですね」
「プロが愛と想像力で考え抜いた簡単で美味しいレシピ、ぜひ試して欲しいです」

「忙しい中で、手抜きではなく”手間を省ける”ことは、みなさん大歓迎ですよね。でも実は、簡単でおいしいものをきちんとレシピにして、理屈をしっかり立てるのは難しい。だからこそ、そこにプロのマインドを入れて、水の量から火加減まで、作る人の身になってどこまで考え抜けるか。レシピに必要なのは愛と想像力ですね」
自身が大のパスタ好きだからこそレシピへの思い入れが強く、今回はバリエーションやラインアップもかなり悩んで選び出し、熱量高く作った納得の1冊という鳥羽シェフ。
「55品の中でお気に入りを2つ3つ見つけてもらって、普段はそればっかり作ってもらっても全然OKだし、お客さんがくるからたまには違うものも作ってみようとか、そういう使い方もいいと思います。材料が揃わなければアレンジしても構わないし、ベーシックなので自分流に育ててもらってもいい。味付けが得意じゃない人の課題解決にも役立ててもらえたら。本当にいい本ができたと思うので、ぜひたくさんの方に使っていただけたら嬉しいです」
●書籍情報
『帰ってきたらすぐに作れる、食べられる おかえり!パスタ』
定価:1760円(税込)
発行:CCCメディアハウス
Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4484212404
楽天BOOKS https://books.rakuten.co.jp/rb/17894356/