ビストロ顔負けの味の缶詰はコレだ!

今回、カルディで集めてきたのは全10缶。パテやテリーヌ、リエットと名がつくものです。その中で、甲乙付け難いくらい美味しかった缶詰はズバリ3つ。順にご紹介しましょう。

まずは、フランスで1953年に創業、フォアグラで有名なデュック・ドゥ・ガスコーニュのテリーヌです。同社が作るフォアグラは品質が高く、毎年のようにパリのコンクールでメダルを受賞している逸品。パテやテリーヌも作っており、それらを缶詰にして4年も長期保存出来る“超グルメ缶”を作ったことにより、世界中のグルメたちから絶賛されているんです。
そのテリーヌ缶は、カルディでは3種類販売されており、1缶498円なのに、どれも本格的なフレンチの味わいです。あえて1つを選ぶなら「鴨のテリーヌ(フィグ・シラー入り)」。しっとりとした鴨肉の中にドライフィグ(乾燥イチジク)が入っており、口に含めば、シラー(ぶどう)の香りがふわっと広がります。濃厚な鴨肉の脂のコクと、舌に残る肉とイチジクの粒感が、非常に味わい深く、特に重めの赤ワインにぴったりです。

ちなみにデュック・ドゥ・ガスコーニュの他のテリーヌ、「ホロホロ鳥のテリーヌ」と「ロブスターのテリーヌ」も紹介しておきます。ホロホロ鳥は、鴨のテリーヌより、肉の食感がしっかりしていて、中にはピンクペッパー、ブラックペッパーが入っています。そのペッパーが口の中でプチッと潰れるたびにスパイシーさが広がります。

また、「ロブスターのテリーヌ」は、オマール海老をふわっと滑らかなペースト状にしていて、そこにマンダリン、グレープフルーツ、レモンなどの柑橘類が使われています。非常に優しい味わいで、白ワインやシャンパンなどにぴったり。

というわけで、「デュック・ドゥ・ガスコーニュ」はどれも、見かけたら買っておいて損はありません。
続いて、2缶目は、マルハニチロが出している「ラ・カンティーヌ」ブランドの「豚のリエット」です。こちらは缶というより瓶ですね。

豚肉をワインと野菜、香辛料で長時間かけて加熱するという、王道のリエットの製法で仕上げた逸品です。まさにレストランでいただくフレッシュなアミューズのように、ふわふわ&滑らか。そして非常に上品な味わいなんです。瓶もエレガントなのでそのまま出してもお洒落なのが嬉しいですね。
そしてオススメ3品目は、フランスのポークパテのシェアナンバー1を誇る老舗・エナフ社の「レバー入りポークパテ」です。こちらも瓶詰めです。2瓶セットで、1瓶あたり45g。この量は、1回で食べきれるので、意外と便利。

エナフは、パテだけでなく、テリーヌやリエットもたくさん出していますが、カルディで売っていたのはポークレバーをコニャックで風味づけした「レバー入りポークパテ・コニャック風味」と、アヒルレバーをオレンジで風味づけした「レバームース・オレンジ風味」の2種類。
とくに「レバー入りポークパテ・コニャック風味」は、レバーパテをコニャックでクセを抑えて仕上げた大人の味。食べた後に鼻から抜けるコニャックの香りがたまらなく美味。どっしり重めの赤ワインと合わせると、まさに本場のビストロで食べているような気分になります。
というわけで、年末年始にストックしておきたい絶品おつまみ缶詰は、
(1)デュック・ドゥ・ガスコーニュの「鴨のテリーヌ」
(2)マルハニチロ『ラ・カンティーヌ』の「豚のリエット」
(3)エナフの「レバー入りポークパテ」
となります。
そのほか、今回はカルディ・オリジナルの「まぐろパテ」シリーズ3つや「瀬戸内レモンを使ったサバのリエット」や「チキンのリエット」も食べ比べてみました。

このオリジナルシリーズは、ツナ缶やチキンフレーク缶のように、軽くあっさりめに仕上げてあります。フレーバーが色々あって、食べ比べるのは面白いのですが、ワインと合わせると、少し香りの邪魔になったり、脂が少ないのでコクも控えめすぎて、印象が薄い感じがします。そのまま食べるよりも、サンドイッチなどにして野菜と合わせると美味しいです。
ぜひ、年末年始の家飲みのおつまみの参考にしてください。
(撮影・文◎土原亜子)