
『あみだ池大黒』は、江戸時代半ばの1805年(文化2年)に創業した大阪の老舗菓子舗。さっくりとした独特の硬さでお馴染みの、大阪名物「粟おこし・岩おこし」を220年以上にわたる歴史を持ちます。
「おこし」は、蒸して乾燥させた穀物を水飴と混ぜて固めた日本伝統のお菓子。浅草の雷おこしをはじめ全国各地にさまざまなおこしがありますが、そのなかでも大阪おこしの最大の特徴は、主原料にお米を使っていることです。

江戸時代から変わらず親しまれてきた粟おこしや岩おこしは、実は小麦を一切使用していないグルテンフリーのお菓子。現代の多様な食の価値観や、素材にこだわりたいというニーズにも寄り添う銘菓です。
なぜ大阪のおこしはお米なのか

大阪で、おこしが広まったのは、江戸時代半ばのこと。天下の台所と呼ばれた当時の大阪には、全国から良質なお米や水飴、砂糖が集まりました。
それまで粟やひえで作られていたおこしを、お米で作れないかと考えたのが、『あみだ池大黒』の初代・小林林之助氏です。

お米は贅沢品でしたが、年貢米を運搬する船の底にたまる余剰米に着目し、これを細かく砕き、蒸して乾燥させ、炒ってパフ状に仕立てたのが始まり。大阪商人のもったいないを活かす知恵から美味が生まれた、大阪らしい銘菓といえるでしょう。

製造部・班長の山口さんは、
「おこしはシンプルに見えてとても繊細。特に大切なのが水飴の温度。気温や湿度によって固まり方が変わるので、夏と冬では火加減を微妙に調整しています。どんな時期でも変わらない食感を出すには、職人の経験がものを言います」と語ります。
長い年月をかけて磨かれた技が、時代を超えて愛されるおこしの味を支えているのです。
和と洋が花咲く、新ブランド「大阪花ラング」
![ドライフルーツは手作業でトッピング[食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2025/11/20251118amidaike06.jpg)
伝統のおこしを受け継ぎながら、『あみだ池大黒』は新しい挑戦も続けています。その象徴が、2019年に誕生した「大阪花ラング」。お花の形をしたラングドシャにハチミツ入りクリームを挟んだ、かわいらしい洋風焼き菓子です。
発酵バターが香るサクサクの生地と、軽やかな甘さのクリームが人気を呼び、累計販売個数は2,000万個を突破。大阪土産の新定番として定着しています。

2025年10月15日には、阪神梅田本店 地下1階阪神食品館に専門店の『花ラングガーデン』も誕生。

ストロベリーやブルーベリーを使った「花ラング ベリー」と、発酵バター香る「花クッキー缶」。大阪らしい華やかさと上品な味わいで、ギフトにもぴったり。

●SHOP INFO
花ラングガーデン
住:大阪府大阪市北区梅田1丁目13番13号 阪神梅田本店 地下1階「阪神食品館」
営:10:00~20:00
休:阪神梅田本店の休業日に準ずる





