カップ麺とお店の「こってりラーメン」は全く別モノ!?

さっそくカップ麺を作っていきます。このカップ麺は、1食134g492kcalで、かやく1袋、後入れの特製スープ(粉末&液状)の2種類が入っています。早速かやくを麺の上にのせ、熱湯を注いで4分待ちます。

4分経ったら、「あといれスープ」を2種類、立て続けに投入し、かき混ぜればできあがり。ビジュアル的に、特に液状の特製スープが天一のこってりスープに似ているような気がしますね。さて、ここでお店で食べる「こってりラーメン」のことを思い出してみましょう。

鶏ガラと数種類の野菜でとった濃厚なスープは、もはやポタージュのようにとろりとしていて、まろやかでコク深い味わい。これが麺に絡まり、得も言われぬ至福の時間を紡ぎ出す…。思い出すだけでクラクラしてきます。
で、カップ麺はこんな感じです。うーん、サラッとしています。危惧していた通り、見た目は全然違いますね。

実際に食べてみると、スープの食感はポタージュ感ゼロで、見た目通りのサラッとしたスープ。こっさりラーメンに近いのかもしれません。麺も細麺ではあるものの、お店の麺とは食感が全然違います。もちろん、トッピングのチャーシュー、メンマ、ネギなどの楽しみもほぼ感じられません。
となれば、天一のこってりラーメンとは似ても似つかぬニセモノじゃないか! こってり一筋のコピーは嘘だったんだ! と、ピュアな子どものように癇癪を起こしたくなるところですが…

が、しかし! このカップ麺、味はものすごく美味しいんです。コテコテではないものの、スープには適度なとろみがあり、コクもあります。そして麺は生麺に近い食感があって、スープとの相性もイイ。特にスープの深いコクは、店の「こってりらーめん」とほぼ遜色なし。
つまり、見た目や食感などの再現率は高くないものの、そこはかとなく天一のこってりのポイントだけを押さえてカップ麺に落とし込んであると言いましょうか。そう、カップ麺としてのクオリティはかなり高いのです。
というわけで結論です。天一の生み出したこってりラーメンをカップ麺として再現するのは難しい。しかし元が唯一無二の味わいだけあって、カップ麺にしようと努力すると、ついついハイレベルな味になってしまう。そんな印象を受けました。いずれにしてもこのカップ麺、最近どんどん登場する名店監修シリーズの中でも、かなりハイレベルな美味しさだと思いました。見かけたらぜひお試しあれ。
(撮影・文◎土原亜子)