鍋とビストロヌードル、どっちで作るのが美味しい?

さっそく、筆者が最近、ハマっている袋麺「辛ラーメン キムチ」を、「ビストロヌードル」と鍋で調理してみます。鍋のほうは、レシピの指定どおり、水500mlが沸騰するのを待ち、乾麺とスープの粉末、かやくを一気に入れて4分間煮込んでいきます。

一方、「ビストロヌードル」には、指定の500mlの水と乾麺、スープの粉末、かやくを全て入れて、電子レンジにかけます。この時、指定の4分間に+3分した、計7分間(500Wの場合)でレンチンするというのが「ビストロヌードル」の使い方です。鍋より少し長くなりますが、ほったらかしという点では便利。

さて、出来上がった鍋の「辛ラーメン キムチ」から見ていくと、いつものように濃厚なスープとモチモチの麺の仕上がり。完璧です。

一方、「ビストロヌードル」で作った「辛ラーメン キムチ」はというと、あれれ? スープの色が薄い。そして麺も、なんだか、入れたままの形状で、モチモチしていない感じです。少し食べてみると、麺もスープも通常よりあっさりしています。

むむむ。これはどうしたことか…
筆者が推察するに、鍋で作ると、加熱中にお湯が対流するのに合わせて麺が動き、スープが麺によく染み込む。そして、お湯が蒸発することでスープ濃度が濃くなり、さらに麺から小麦もスープにしみ出る。その結果、スープはとろりと濃厚になり、麺はモチモチになる…という仕組みなんだと思います。

一方、「ビストロヌードル」は電子レンジの加熱なので、水分がさほど蒸発しません。しかも湯の対流が鍋に比べると大人しい。その結果、スープは薄めになって麺も水分を含みにくく、モチモチにならないのかもしれません。ただし、スープは水っぽいというよりあっさりしていて、香りや旨みはきちんと出ているのです。

というわけで結論です。「辛ラーメン キムチ」に限って言えば、「ビストロヌードル」より、鍋で作るほうが美味しい。これは正直、間違いありません。
ただし、1つ重要なことを追記しておかねばなりません。今回、筆者が好きな「辛ラーメン キムチ」で比較しましたが、そもそも韓国の即席麺は、鍋に最初からスープと麺を入れて、よく煮込んで食べるのが前提に作られています。つまり、煮込むことでスープが麺によく染み込み、モチモチするわけです。

一方、日本のインスタント麺は、麺とかやくを茹でて、最後に顆粒スープを入れ、スープの香り、旨みを味わうという特徴があります。そう、日本のインスタント麺は煮込まないのです。つまり、今回の比較だけで、一概に「ビストロヌードルより鍋の方が美味しくできる」とは言えないのです。
日本のインスタント麺ならビストロヌードルは合うのかもしれない。というわけで、今度は家にあった「サッポロ一番 塩ラーメン」を「ビストロヌードル」で作ってみたところ、これは何の問題もなく美味しかったです。やっぱり……。
ついでに、ちょうど「アラビヤン焼きそば」があったので、これも作ってみます。

指定どおりの水と麺と生キャベツを「ビストロヌードル」に入れて、レンジで2分(指定の時間)+3分。フタを開けて麺をほぐし、再びレンジで2分。水気がなくなったらソースを入れます。そして、完成したのがこちら。

これも大成功でした! 麺もしっかりほぐれていて、ソースとよく絡み、フライパンで作るのとほとんど遜色ありません。そしていつものように美味しい。
というわけで、この「ビストロヌードル」は、“スープ(調味料)先入れの煮込み系のインスタント麺”ではなく、“スープ(調味料)後入れのインスタント麺向き”であることが判明。というか、日本製のインスタント麺はほぼ後者ですが…。
見た目もお洒落で器としても使えるので、調理だけでなく後片付けも時短になるのもいいですね。前述の通り、温野菜や肉まんなどの蒸し料理にも使えるので、気になる人はぜひお試しあれ。
(撮影・文◎土原亜子)