バリエーション多彩! 玄米だんご専門店『白金 本気だんご』が面白い【スイーツ放浪記】

パティスリーや和菓子屋で、はたまたデパ地下や駅ナカで、日々、新しいスイーツや和菓子がお目見えし、多くの人々の心を幸せにしています。おいしくて愛すべき甘いモノにまつわる情報、そして作り手の熱い思いをお届けします。

右から、北海道つぶあん170円、京都風みたらし160円(各税込)。ほかに焼き醤油だんご140円、名古屋風みたらし160円、はちみつ醤油グラノーラ170円(各税込)など | 食楽web

南魚沼産コシヒカリ玄米から作るヘルシーなだんご

 今回紹介するのは、子供から大人までが大好きな“だんご”です。

「白金 本気だんご」は、六本木ヒルズや東京ミッドタウン、各国大使館にシロガネーゼなどなど華やかなイメージを持つ港区の、のどかな下町の雰囲気を残す白金商店街にあります。赤いのれんが下がった小さな店には、小さな子供がおやつに買いに来たり、サラリーマンが休憩に立ち寄ったり、老婦人が昼ご飯を食べに来たり。

「人を笑顔にする接客という仕事が好きなんです」というオーナー西邑あきさん。国際線のキャビンアテンダントをしていた彼女が、飲食店経営に取り組もうと決意し、悩みに悩んで決めたアイテムがおだんごでした。

 でも、料理のプロではない彼女にとって問題は山積み。

 材料を吟味して専門家にオーダーし、最後の仕上げを自分でするスタイルはどうだろう? だからこそ、材料、レシピは納得いくまで検討したい。

 

 おだんごを看板商品にすると決めてから、材料探しに奔走することになりました。

テーブル席のほか、店内にはカウンターも。夜は「だんごバー」として営業

粉から作るだんごとは手間のかけ方が違う

 一般的におだんごはうるち米など穀物の粉に水分を加えて、丸めて蒸して作リます。

 店で使う材料を探していくうちに、「お米は炊きたてのご飯が一番おいしいはず。だったら、米本来の甘みや風味をそのまま生かせるよう、炊飯した米でおだんごを作ったらどうだろう」と西邑さんは考えました。

 さらに、子育てをするようになってから「健康」や「安全性」については人一倍、厳しい目を持つようになっていたため、玄米の栄養価の高さにも着目。 玄米はビタミンB群やミネラル、食物繊維が多く含まれていて、血糖値の上昇を抑える効果もあるといわれています。

 様々な人々との縁もあって、新潟県南魚沼で関博之さんが作るコシヒカリと出会います。お値段、10kg約6500円。これを玄米の状態で丁寧にふっくらと炊き上げ、お餅のように杵づきして、おだんごに仕上げることにしました。もちもちとした食感なのに、餅とは違って歯切れが良く、滑らかな舌触り。「手間はかかりますが、だんごとしての食べやすさにこだわりました」と西邑さん。

入り口にあるガスコンロで焼かれるだんご。香ばしい匂いが外にも広がる