日本酒のプロが進める日本酒はコレだ!

昨年の日本酒業界の動向について、今さんは「新型コロナの影響で、お酒を飲食店から買ってもらえず、輸出も止まり、酒蔵はどこも大変な苦境でした」と語ります。
そんな状況を打破すべく、個人向けの販路を開拓する酒蔵が増加。その結果、例えば四合瓶や300mlの小容量の酒をラインアップしたり、オンラインショピングを充実させるブランドが増えたそうです。
「いまだかつてないほど、“家で楽しむ日本酒”が求められている状況に合わせて、自宅でじっくり堪能してほしい最高の日本酒を選んでみました」と今さん。というわけで、さっそく逸品をご紹介していきましょう。
何を合わせても抜群の相性! オールラウンダーな日本酒
「純米酒 祝い酒末廣」(末廣酒造)

福島県の『末廣酒造』で造られている純米酒「末廣」。純米酒だと一升瓶で2000円以上するのが一般的ですが、1950円というリーズナブルな価格帯で購入できる日本酒です。爽やかな香りと旨みがあり、スッキリとした飲み口が特徴。飲み方の幅が広く、冷酒から熱燗まで楽しめるお酒です。
「通年で販売している純米酒ですが、この時期は特に重宝する1本ですね。どんなシーンにもマッチする、安価なのに洗練された味わいは唯一無二。どの温度帯でもおすすめできますが、まずは常温で一度飲んでいただきたいです。スタンダードな味わいなので、多様な味が混在するおせち料理と相性抜群です」(今さん)
飲めば福来たる!? 縁起がよくて味も優秀
「金升 しぼりたて 吟醸生貯蔵原酒 宝づくし」(金升酒造)

こちらは新潟県の新発田市にある『金升酒造』で、毎年12月頃に発売される限定酒。新米を丹念に醸して仕込んだ“しぼりたて吟醸生貯蔵原酒”です。搾ったままのお酒を、瓶詰め後に一度だけ火入れしています。ふんわりした優しい香りと、新潟の吟醸酒らしい、シャープでスッキリした味わいが特徴。さわやかな苦味もあり、冷やで飲むのがオススメです。
「非常に縁起の良いとされている“金”と“升”を冠する日本酒で、新年のこの時期にぴったりです。ラベルに使われている9つの絵柄は、『金升酒造』に代々伝わる9つの宝物を組み合わせた吉祥文様。飲む人に福が訪れて欲しいという願いが込められています。さっぱりタイプの日本酒なので、淡白な白身のお刺身と相性が良いですよ」(今さん)