そのままでも料理にも、オールマイティなチーズ

今回教えてもらったチーズは「オールドアムステルダム ゴート」。見た目はちょっと固そうなチーズですが、一体どんなチーズなんですか?
「じっくり熟成されているので、ヤギの乳ならではの香りが柔らかく感じられます。むしろミルクの甘み、コク、旨みを感じられるチーズなので、これなら食べられる、という人も多いチーズなんですよ」(今藤さん)。
ヤギのミルクのチーズは牛乳由来のチーズとは違い、試食しないでいきなり買うのは勇気がいるイメージです。想像以上に匂いがきつかったり、クセがすごかったら怖い。でもチーズの世界をより深めるには、ヤギ乳系チーズで自分が好きになれる味を見つけたい! あの~、ヤギのチーズのオススメの食べ方ってありますか?

「まずは薄切りやかち割にしておつまみに。薄切りにすることで、チーズの香り、味わいをダイレクトに感じることが出来ます。スライスしてパンに乗せたりサンドイッチにするのもいいですね。削り下ろしてパスタやサラダにかけたり、濃厚な旨みを活かしてスープのコクだしにもおすすめですよ」。
つまみにも料理にも、ということは、大きめのカットで買ってもいいのかも。ちなみに合うお酒は?

「濃厚な赤ワインや甘みのある果実酒に合いますね。実は、コーヒーや紅茶にも合いますよ」。コーヒーや紅茶とチーズケーキ、はあるけれど、チーズをそのまま味わうってやったことない。甘いものが苦手な人のお茶請けにいいかも。
「ヤギのチーズには旬があるものも中にはあるんですよ。ヤギは春先から初夏にかけて出産をするので、昔ながらの製法で作っているメーカーだと、お母さんヤギがミルクを出す時期が旬になるんです。フランスだと初夏にヤギのチーズが街中に出てくると、ああ、この時期になったんだね~、というのが風物詩だったり」。野菜や花のように、ヤギのチーズで季節を感じるんですね。

そして、一番聴きたかった質問。もし、もらい物やセット買いなどで、自分に合わないヤギのチーズが手元に来ちゃったら、どうしたらなんとかなりますか?
「ヤギのチーズは、まずは少し試して、食べやすいものから味わうのがおすすめですが、もしちょっと試してダメだったら、蜂蜜をかけたり、ドライフルーツやナッツと一緒に食べるなど、他の食材と組み合わせて味わうといいですよ。軽く焼いてトーストに乗せて味わうのも食べやすくなります。

実際に食べていると、濃厚な甘み、そしてナッツのような香ばしさも感じる「オールドアムステルダム ゴート」。他にもヤギのチーズは、スペイン産の「ロシナンテ赤ワイン」やフランス産の「サントモール・ド・トゥーレーヌ」などを、店頭やホームページなどで販売中です。ヤギってだけで敬遠せず、この機会に味わってみてはいかがでしょうか?