改めて「モスコミュール」ってどんなカクテル?

モスコミュールといえば、スタンダードなカクテルの一つ。ウォッカをライムジュースで割ったものに、ライムなどのスライスを添えたもの。食前・食後に関わらず飲めるカクテルとして、世界中で愛されているカクテルです。
モスコミュール、英語表記にすると「Moscow Mule」。直訳すると「モスクワのラバ」。ラバに蹴飛ばされたように効いてくる、という意味を持つそうです。後脚の強いラバに蹴られたような衝撃を感じる、強いアルコール、というのがモスコミュールの特徴の一つです。このモスクワはおそらくウォッカ=ロシア(モスクワ)、ということでしょう。
そんな「モスコミュール」についてお話を伺ったのは、渋谷にある『Bar 石の華』オーナーバーテンダーの石垣忍さん。『Bar 石の華』のモスコ・ミュールは、スミノフ・ウォッカにフレッシュジンジャー、フレッシュライム、フレッシュミント、そしてジンジャービアで作ります。そして特徴的なのは銅のマグカップ。カクテルなのにマグカップ? その理由は?

「諸説ありますが、メーカーであるスミノフとヒューブライン社が、NYでこんなカクテルが流行っている、と全米に広げて流行らせた、という説や、ジンジャービアを売りさばくために、銅のマグカップを使ったなど、様々なストーリーがあるんですよ」(石垣さん)。
カクテルの由来というのは、おしなべてはっきりしたものはなく、諸説いろいろあるものが多いようです。でも、銅のマグカップを使うのはスタンダード。『Bar 石の華』でも銅のマグカップで提供されます。
「元々(モスコミュールの由来を)知っている人はわかってくれますが、知らない人は驚くかもしれませんね」(石垣さん)。なるほど。モスコミュールをオーダーして、銅のマグカップで出てきた際に、このエピソードを話すのはいいかもしれませんね。
ちなみに、海外ではジンジャー・ビアを使うのが基本ですが、日本では以前、ジンジャー・ビアがなかなか手に入らなかったため、ジンジャー・エールで作る方法が広まっているとのこと。日本のモスコミュールは、ラバで蹴られたような、と言えるほど強くないものも多いようです。
名前の由来や、グラスの秘密、割材の違いなど知るほどに奥深い「モスコミュール」。本物の味を感じたい人は『Bar 石の華』へ足を運んでみたはどうでしょうか。
(撮影◎宮川朋久 取材・文◎石澤理香子)
●SHOP INFO

店名:Bar 石の華
住:東京都渋谷区渋谷3-6-2 第2矢木ビル B1
TEL:03-5485-8405
営:18:00~翌2:00
休:日曜、祝日
※チャージ料金500円。2019年10月以降価格変更の場合あり