緻密な「微濁」スープの名店「創作麺ひとすじ」(方南町)

2025年のラーメンシーンの方向性は、この『創作麺ひとすじ』の登場によって、早々に決定付けられた。
ここ最近、透き通った清湯スープでも、深く濁った白湯スープでもない、いわゆる「微濁」スープを出す店が増加傾向にあったことは、都内のラーメン好きであれば、多かれ少なかれ、感じ取っていたのではないかと思う。
その実感を、ものの見事に可視化してみせたのが、2/1にオープンした『ひとすじ』の「中華そば」だ。

スープのビジュアルは、清湯でも白湯でもない。スープの中を泳ぐ『三河屋製麺』製の中細麺の姿が微かに視認できる「微濁」だ。素材の襞を繊細に伝える緻密さが愛おしい。
丸鶏・手羽先・豚の背ガラ等の動物系素材を丁寧に炊き上げた出汁に、節・煮干し・昆布等の魚介出汁を、絶妙なバランス感覚で重ね合わせる。動物系の比重をわずかに高め、舌上で弾力的に膨らむ食味を創出するギミックも、魚介を押し出しがちなこのタイプの1杯との差別化に大きく寄与する。
同店では、「中華そば」のほか、「担々麺」も提供しているが、同品の完成度も極めて高い。
辛み・酸味・うま味の三味を最大限搾り取り、スープの一滴一滴にまで凝縮。特に、酸味の置き方のセンスが抜群。辛み・うま味を支える土台としての役割に集中させることで、類まれな重層感を構築することに成功している。

行列に接続した時点から、訪問者をしっかりと一人の客として迎え入れ、気配りが行き届いた接客を貫徹。味、接客共に非の打ちどころのない、優良店の範を示す1軒だ。
●DATA
住:東京都杉並区方南2-18-6
営:11時〜14時半
休:不定休(店のSNSをチェックのこと)
アクセス:丸の内線・方南町駅東口より徒歩3分





