
たかが卵かけご飯、されど卵かけご飯。日本のソウルフードともいえるこのシンプルな料理ほど、人のこだわりが垣間見えるものはないかもしれません。
あなたの“TKG”は、どんな一杯ですか?
卵に醤油を垂らして一気にかき混ぜ、熱々のご飯にダイブさせる王道の「シンプル派」。ひと手間かけて白身を泡立て、雲のようなメレンゲの上に黄身を鎮座させる「ふわふわ派」。はたまた、「かける醤油は牡蠣醤油一択」と、調味料への愛を貫く「醤油こだわり派」。
先日、馴染みの居酒屋で友人たちとそんな「TKG談義」に花を咲かせていると、隣のカウンター席から渋い声が割って入りました。
「私は『究極の卵かけご飯』を知っている。その秘密は、素材ではなく“作り方”にあるんだ」
そう語り始めたのは、一人静かに杯を傾けていた一人の老紳士。その自信に満ちた眼差しと熱のこもった口調に、私たちは一瞬で引き込まれてしまいました。
『究極の卵かけご飯』。その言葉の響きに、私の探求心は燃え上がります。これはもう、教わった通りに作るしかありません。
究極を目指すなら、卵も“極上”を選びたい

老紳士は「作り方こそが全て」と語りましたが、最高の舞台を整えたい。どうせなら、主役である卵にも徹底的にこだわりたい。

白羽の矢を立てたのは、岐阜県・棚橋ファームが育む『醍醐卵(だいごらん)』。鶏が口にする餌や水といった生育環境に並々ならぬ情熱を注ぎ、その品質の高さから「ジャパン・フード・セレクション」で金賞の栄誉にも輝いた逸品です。
特筆すべきはその鮮度。注文を受けてからその日に産まれた卵を発送するため、本州であれば翌日には手元に届くのです。

届いた箱を開け、卵を一つ手に取り、そっと器に割ってみる。すると、こんもりと盛り上がった艶やかな白身の上に、箸でつまめそうなほどに張りのある、濃厚なオレンジ色の黄身が鎮座していました。この見た目だけで、期待は最高潮に達します。
最高の卵、『醍醐卵』。いよいよ、老紳士直伝の“究極の作り方”でいただきます。
老紳士が教えてくれた究極のレシピ

さて、ここからが本番です。皆さんも、ご自身の作り方と比べてみてください。
まず、炊き立てのご飯を茶碗によそったら、ご飯へ直接、牡蠣醤油を回しかけます。
そう、卵はまだです。多くの方が卵に醤油を混ぜ込むのに対し、このレシピでは「先にご飯に醤油」なのです。そして、米粒を潰さないよう、切るようにして優しく混ぜ合わせます。
老紳士は言いました。ここが、究極への分かれ道だと。
「米一粒一粒を、醤油でコーティングするんだ」
醤油の香りをまとったご飯が、キラキラと輝きを放ちます。大事なことなので、もう一度書きます。
「米一粒一粒を、醤油でコーティングするんだ」
この醤油ご飯の上に、いよいよ溶き卵を流し込み、全体をふんわりと混ぜ合わせれば完成です。
口に運ぶと、まず舌を包み込むのは『醍醐卵』の驚くほど濃厚でクリーミーな甘み。しかし、次の瞬間、噛みしめた米粒から醤油の香ばしさとキレのある塩味が弾け、卵のまろやかさと見事に調和します。そして最後に、米本来の甘みがふわりと鼻に抜けていく…。
なるほど、これは「味の三重奏」。最初に醤油で米をコーティングし、その上から卵でさらに全体を包み込む。この「米・醤油・卵」という三層構造が、それぞれの素材の輪郭を際立たせ、口の中で次々と新しい味の発見をもたらしてくれるのです。
老紳士が、あれほどまでに自信たっぷりに語った理由が、この一口で理解できた気がしました。
あなたの『究極の卵かけご飯』を教えてください

それぞれの旨みが三位一体となって押し寄せる、感動的な美味しさ。しかし、これが本当に誰もが認める『究極の卵かけご飯』なのだろうか?と問われると、首を傾げてしまう自分もいます。食の世界は、奥深く、そして人の好みは千差万別だからです。
そこで、募集します。
あなたの知っている、あなたの信じる『究極の卵かけご飯』を、どうか教えてはいただけないでしょうか。
「隠し味に〇〇を入れる」「この醤油でなければはじまらない」「こんな食べ方が最高だ」。どんな些細なこだわりでも構いません。あなたの“究極の一杯”を、ぜひ下記のフォームからお寄せください。
いつか、日本中の知恵を結集した、真の『究極の卵かけご飯』をこの手で再現できる日を夢見て。
▼あなたの『究極のTKG』投稿フォームはこちら
https://docs.google.com/forms/d/1WRYaahQrfbNLI8eNaq-gaSYRGypxIqMn9dH2GzETASI/viewform?edit_requested=true
(☆ヨネダ商店)
●DATA
有限会社棚橋ファーム 農場直売所
住:岐阜県岐阜市岩利4-47
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営:9:00~17:00
休:年中無休 ※年始除く
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