【中央線一人飲み】中野の路地裏でひっそり常連に愛される立ち飲み屋『やきや』のホッピーは幸せの味

商店街の先のラブホ脇に煌々と輝く赤い看板

昭和感あふれるラブホテル
昭和感あふれるラブホテル

 さらにファミリーロードを進むと、突然左側にラブホテルが姿を表し、そのすぐ先の年季の入ったビルに真っ赤に輝く「立飲やきや」の看板が見えます。

入口の暖簾を臆せずくぐるべし
入口の暖簾を臆せずくぐるべし

 やや入りづらい入り口ですが、一見さんお断りというわけではありません。少し奥まった入り口の暖簾をくぐって店に入ります。

ホッピーの「中の量」に、その店の良心が表れる

それぞれのんびり一人飲みを楽しむお客さん
それぞれのんびり一人飲みを楽しむお客さん

 先客は2名。AMラジオが流れるだけの静かな店内で、のんびり一人飲みを楽しまれている様子。カウンターの天井にはなぜかプロ野球のマスコットキャラクターのキーホルダーがぶら下がっていました。

マスコットはセ・リーグ多め
マスコットはセ・リーグ多め

 店内には、モコモコした音のAMラジオがかかっており、静かな時間が流れています。一方、カウンターの中では、初老のマスターがワンオペでせわしなく作業中です。

せわしなく働くマスターの作業の合間を読み取ってオーダーしました
せわしなく働くマスターの作業の合間を読み取ってオーダーしました

 店主の作業の合間を見計らって白ホッピーセット(380円)、つくね・ナンコツ(各140円)をオーダーしました。物価高騰で値上げ後だそうですが、この価格はなんともありがたい限りです。

白ホッピーセット(380円)。“ナカ”の量の多さに『立飲やきや中野店』の良心を感じます
白ホッピーセット(380円)。“ナカ”の量の多さに『立飲やきや中野店』の良心を感じます

 そして、『立飲やきや』で何よりも筆者が嬉しく思うのは、ホッピーの“ナカ”の量。個人的に「その店の良心はホッピーの“ナカ”の量に現れる」と思っているのですが、この法則で言うと、こちらのホッピーからはもはや良心しか感じません。

 また、追加の“ナカ”だけのオーダーは190円。まさに「本当にセンベロできる」のもまたこの店の特長と言って良いでしょう。

塩強めの串モノで炭酸系の酒がグングン進む

つくね・ナンコツ(各140円)
つくね・ナンコツ(各140円)

 程なくして、つくね・ナンコツがサーブされました。やきやの串モノはたれ、塩、みそ、素焼きの4種類から選べます。

 筆者はここではいつも塩でいただきます。やや強めの塩が、串モノの味わいを強め、そして肝心の炭酸系の酒をグングン進めてくれるからです。

 もちろん、串モノもまたプリプリ食感で肉の旨みを感じる逸品です。特につくねのジューシーな味わい、ナンコツのコリコリ食感が大好きで、後半で七味をかけて味変するのもまた楽しい。筆者はいつもこんなふうに、『立飲やきや』での一人飲みを楽しんでいます。

のんびりとした空気の中でベロベロに……

味変に七味もまた旨し[食楽web]
味変に七味もまた旨し[食楽web]

 結局この日はホッピーの“ナカ”を3回オーダーして一人飲みを終えました。時間にすると30分ほどでしたが、“ナカ”の量が多いのでもうベロベロ。

 最初にいた2組の客ものんびりと酒を楽しんでいます。そして店内には、最後までAMラジオのニュースや交通情報だけが静かに流れていました。

 さらに夜が更けると客が増えて賑やかになることもありますが、こんなのんびりとした空気の中で飲むホッピーの旨さは『立飲やきや中野店』ならでは。

 常連さんたちに愛される小さな名店の、穏やかな空気に浸りながらの一杯、ぜひ一度体験してみてください!

(取材・文◎松田義人(deco))

●SHOP INFO

立飲やきや中野店

住:東京都中野区中野2-27-14 丸萬ビル 1F
TEL:03-3381-8184
営: 16:00 – 20:00
休:日