
●“ほぼ新宿“などと呼ばれるますが、ここは「渋谷区代々木」。この街には地元と蔵元を愛する『よよぎあん』 があります。
「代々木」は江戸期からの地名で“樅の木が多く繁っていたから“とか”古くから大木が代々続いていたから“など諸説ありますが、いずれにせよ森閑とした場所であったと推測されます。
今では、朝早くから明治神宮に参拝する外国人観光客で賑わい夕刻には有名大学合格を目指す現役高校生を多く見かける代々木駅周辺ですが、平成のはじめ頃までは駅前の日本を代表する予備校に通う浪人生の街でした。書店やパチンコ店、雀荘、そして若者の空腹を満たす定食屋が並ぶ盛り場だったのです。
新宿駅の拡張に伴い“ほぼ新宿”などと呼ばれることもありますが「渋谷区代々木」は明治神宮の参道口のひとつで、今でも暮らす人も多い“街”なのです。
代々木育ちのご主人が営む、代々木駅前の『よよぎあん』

駅前の予備校の中庭や、昭和の名ドラマとして動画配信サービスでも人気の萩原健一主演の『傷だらけの天使』(日本テレビ系列で1974-75年に放送)のロケが行われていたビルで「ドロケイ(泥棒と警察)」で遊んでいたという生粋の“代々木っ子”・関将伸さんが営む『よよぎあん』は1978(昭和53)年に先代のお父様が開業した居酒屋。

青森県むつ市の関乃井酒造ご出身の先代のご主人が現在も2階で営業されている『とんかつ・代々木庵』を営んでいたが「実家のお酒」を多くの人に愉しんでいただきたいという思いで創業されたという。代々木育ちのご主人・関さんは地元の町内会や商店街の寄合には忙しいなかでも参加する“地元を愛する”御店主さんです。
蔵元との関係も大切にし、つくる気持ちを共有したい

日本酒は40~50銘柄、焼酎も30銘柄ほど常時揃え、その豊富な品揃えを愉しむ顧客が多い『よよぎあん』。青森の蔵元にルーツを持つご主人ならではのモットーは「お酒をつくるひとの気持ちを共有して提供したい」という思いで、青森の本家「関乃井酒造」だけではなく日本全国の蔵元とも様々な機会に交流してお酒の特徴だけでなくて“作り手の想い”も併せながらお料理を提供しています。