養殖のうなぎはほぼ“オス”!? 名古屋で生まれた奇跡の「“めす”うなぎ」が言葉を失うほど絶品なワケ

“めす”に育つ理由は大豆イソフラボンのおかげ!?

愛知県一色町ではうなぎ漁が盛んです
愛知県一色町ではうなぎ漁が盛んです

 研究の発端となったのは、1980年代頃からうなぎの稚魚(シラスウナギ)の採捕量が減少したため。天然資源の減少が危惧されている背景から、大切な天然資源を活かすために1匹1匹のうなぎを大きく育てる研究がスタートしました。

 生産者に負担がなく、天然由来の原料の中で様々な方法を試し、最終的に豆腐や豆乳など大豆を原料とする製品に含まれる「大豆イソフラボン」が有効であるという結論に。それをエサに混ぜることで、めすのうなぎが育つようになったそうです。

 さらに、エサも良く食べ、身も大きく、元気に育つというメリットも。大豆イソフラボンは女性の味方と言われていますが、まさか、うなぎにも有効だとは驚きですね。

クラウドファンディング『Makuake』で支援した「めすうなぎ」が届きました [食楽web]
クラウドファンディング『Makuake』で支援した「めすうなぎ」が届きました [食楽web]

 今回『Makuake』で見つけたのが、こちらの「めすうなぎ」(現在は終了しています)。330g以上(焼く前の状態)のめすうなぎを「葵うなぎ」というブランドとして展開していますので、気になる方はネット通販などでも探してみてください。

身はふっくらとしなやか
身はふっくらとしなやか

 お箸ごしでわかるくらい、身がふわっと柔らかで、しっとり。皮も柔らかで脂のりも絶妙です。「めす」と「おす」を科学的に比べると、「うま味の元となるアミノ酸量」が多く含まれているため、濃厚で雑味が少ないのが特徴なのだとか。

肉厚!!
肉厚!!

 大きく育てば育つだけ、味も淡泊になるのかな? と漠然としたイメージありましたが、めすうなぎはタレにごまかされることなく、旨みたっぷりで香り豊か。改めて、うなぎはご馳走だなぁと実感する満足度の高い一品でした。

 安定した量産が実現すれば、新たな日本のブランドうなぎとして全国的に愛される日も近いのではないかと、期待せずにはいられません。

(撮影・文◎亀井亜衣子)

●DATA
山河一色めすうなぎ研究所
https://mesu-unagi.jp/