ラーメン官僚が太鼓判を押す、徳島県の本当にウマいラーメン店『中華そば がっつ』

いま徳島市で最強に熱い店 『中華そば がっつ』

『中華そば がっつ』の外観
『中華そば がっつ』の外観

 まずは、県庁所在地である徳島市から、おススメ店を1軒ご紹介する。それが2022年8月22日にオープンした、『中華そば がっつ』。この店が今、とんでもなく熱い。

 店舗の場所は、JR佐古駅の出口から徒歩1分。ほぼ駅前の至便な立地だ。ちなみに佐古駅は、徳島市の鉄道路線の玄関口である徳島駅のすぐ隣の駅。そんな意味合いにおいてもアクセシビリティの高さは申し分のないところだろう。

 同店が提供するのは、「中華そば」、「中華そば肉入り」、「味噌ラーメン」、「赤からラーメン」の4種類。

 メニューリストに明記されているが、「中華そば」には、徳島ラーメンの定番「豚バラ肉」が盛り付けられ、「中華そば肉入り」には、豚バラ肉でなく「豚バラチャーシュー」が盛り付けられる。

同店のチャーシューは数量に限りがあり、完売次第、豚バラ肉が代わりにトッピングされる。これは店主の修業元『中華そば 美渓(みたに)』の方式を踏襲したもの
同店のチャーシューは数量に限りがあり、完売次第、豚バラ肉が代わりにトッピングされる。これは店主の修業元『中華そば 美渓(みたに)』の方式を踏襲したもの

 つまり、基本の「中華そば」と「同肉入り」とで、トッピングの種類が変わる珍しい仕様であり、複数名で来店するのであれば、「中華そば」と「中華そば肉入り」の双方をオーダーし、食べ較べを楽しむのも一興だと思う。それでも、「どちらか1杯を選べ」と言われれば、徳島ラーメンらしさがより満喫できる「中華そば」を推したい。

 さて、同店では、数年前に惜しまれながら閉店した『中華そば 美渓(みたに)』の味を受け継いだ1杯を提供。『美渓』と言えば、徳島東部エリアの内陸にある勝浦町に店舗を構え、月に数日しか店を開けず、かつ、営業時間も極めて短いという凄まじいハードルの高さから、地元の方々でも訪問が困難な“幻の店”と呼ばれていた伝説的名店。

 この名店の味が、アクセシビリティ良好な『がっつ』で気軽に堪能できるというのだから、徳島ラーメンシーンが同店の誕生を熱烈に歓迎したのも宜(むべ)なるかなといったところだ。

「中華そば」
「中華そば」

 そんな同店の「中華そば」のスープは、豚骨・鶏ガラ等の動物系素材から採った出汁に、濃厚醤油ダレを合わせた「茶系」。しかしながら、その味わいは、一般的な「茶系」のスープとは明らかに一線を画し、端的に言って傑出している。ニンニクをガツンと利かせ、醬油ベースであるにもかかわらず、まるで味噌が溶け込んでいるかのごとく、この上なく風味芳醇なのだ。

 トッピングの豚バラ肉も高水準で、肉に内包されているリッチな甘みに、思わず頬が落ちそうになった。この1杯を食さずして、徳島ラーメンシーンの「今」は語れないだろう。

●SHOP INFO

中華そば がっつ

住:徳島県徳島市佐古二番町18-10
TEL:088-676-3749
営:11:00〜20:00
休:水(営業時間・定休日は変更の場合あり。事前に店舗にご確認を)

●著者プロフィール

田中一明
「フリークを超越した「超・ラーメンフリーク」として、自他ともに認める存在。ラーメンの探求をライフワークとし、新店の開拓、知られざる良店の発掘から、地元に根付いた実力店の紹介に至るまで、ラーメンの魅力を、多面的な角度から紹介。「アウトプットは、着実なインプットの土台があってこそ説得力を持つ」という信条から、年間700杯を超えるラーメンを、エリアを問わず実食。47都道府県のラーメン店を制覇し、現在は各市町村に根付く優良店を精力的に発掘中。