300年守り続ける味、桜餅の元祖『長命寺(ちょうめいじ)桜もち 山本や』の「桜もち」

下町情緒溢れる墨田区向島界隈には、和菓子好きにぜひおすすめしたい、『向島三大和菓子』と呼ばれる和菓子があります。
1つ目は長命寺の隣にある『長命寺(ちょうめいじ) 桜もち 山本や』の「桜もち」。江戸時代の創業以来、「桜もち」だけを守り続けている老舗の味は、店内でもいただくことができます。

300年もの間、同じ製法で作り続けられている「桜もち」は、隅田川の土手の桜葉を塩漬けにして作り、長命寺の門前で打ったのがはじまりだそう(現在は西伊豆・松崎産オオシマザクラの葉を使用)。無添加で作られる「桜もち」は、作ったその日が賞味期限。薄皮に包まれたこしあんにふわりと葉が香り、煎茶との相性抜群です。葉は外して香りを楽しんでも、付けたままでいただいても◎。
●SHOP INFO
店名:長命寺 桜もち 山本や
住:東京都墨田区向島5-1-14
TEL:03-3622-3266
営:8:30~18:00 ※元日のみ10:00~17:00
休:月曜
著名人にも愛された味の違いも楽しい『向島 言問団子』の「言問団子」

『向島三大和菓子』の2つ目は、江戸末期創業の和菓子屋『向島 言問団子』です。店名の「言問」は、在原業平が東国を旅した時に隅田川付近で詠んだ和歌が由来。こちらの団子は、作家の幸田露伴や画家の竹久夢二も愛した名品です。

イートインでは、名物の「言問団子」を、言問の文字と都鳥のゆりかもめが描かれたかわいいお皿と湯呑みでいただくことができます。こちらの三色団子は串に刺さっていないスタイルが特徴。小豆餡(ふじむらさ)、手亡(てぼう)豆という名の白いんげんを使った白餡、みそ餡(黄色)の3色が美しく、小豆餡と白餡には米粉団子が、みそ餡には白玉もちが入り、素材の味も楽しめます。
●SHOP INFO
店名:向島 言問団子
住:東京都墨田区向島5-5-22
TEL:03-3622-0081
営:9:00~17:00
こだわりの生のよもぎが香る『向島 志”満ん草餅』の「草餅」

かつて隅田川の土手にはよもぎが生え、人々はそれを草餅にしていたのだそう。『向島三大和菓子』3つ目は、明治2年創業『向島 志”満ん草餅』の「草餅」。生のよもぎを使うことにこだわり、昔ながらの爽やかな香りを今に伝えています。

同店では手作りの出来立てが買えることがポイント。「草餅」には「あんなし」と、こし餡入りの「あん入り」があります。「あん入り」にはみずみずしいこし餡がたっぷり。やわらかくふわふわのおもちは、口に入れた瞬間にとろけるほど。感動のフレッシュさです。

「あんなし」は、そのままでよもぎの香りを楽しむのもよし、きなこと白みつをかけて味変を楽しむのもよし。「草餅」のおいしさを再認識できます。
●SHOP INFO
店名:向島 志”満ん草餅
住:東京都墨田区堤通1-5-9
TEL:03-3611-6831
営:9:00~17:00 ※16:00以降はなくなり次第閉店
休:水曜
地元で愛される“こち亀”作者公認『葛飾伊勢屋 亀有本店』の「両さんどら焼」

常磐線亀有駅南口にある商店街で長年愛される和菓子店『伊勢屋』。ショーケースには和菓子のほか、お赤飯やおむすびも並び、奥には甘味処もある昔ながらの和菓子屋です。売り切れ御免の「豆大福」や、みたらしのタレたっぷりの「焼き団子」など、多彩なお菓子が揃う中、亀有ならではの人気商品があります。

漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」にも登場する『伊勢屋』の「両さんどら焼」は、作者で亀有出身の秋元治先生公認のお菓子。両さんがにっこりと笑う焼印が押されたどら焼きは、ふわふわの皮と自家製のつぶ餡が特徴。甘すぎず上品な味わいで、東京土産にも最適です。栗が1粒入った「栗どら」もおすすめ。亀有の下町散歩の際に立ち寄ってみては?
●SHOP INFO
店名:葛飾伊勢屋 亀有本店
住:東京都葛飾区亀有3-32-1
TEL:03-3602-4221
営:8:30~19:40
休:不定休(主に月1回火曜日)