中津の唐揚げ店でも『フライドチキンカメヤマ』はシンプルな味が魅力!

上の写真の通り、『フライドチキンカメヤマ』のから揚げはどんな部位もカリカリ、サクサクで揚げられており、時間が経ってもフニャつくことがありません。これぞまさしく家庭のから揚げとの大きな違いだと思うのですが、亀山さんによれば、「シンプルすぎるかな? と思うほどシンプルに作っている」と言います。

「もともとうちは鶏肉専門店だったんです。鶏肉とから揚げの販売を先代がやっていて、そのうち『弁当を作ってくれ』『○○を作ってくれ』というお客さんの要望を受けて、今ではから揚げをメインに、多くの弁当も出すようになりました。ただ、から揚げに関しては、うちはかなりシンプルだと思うんです。から揚げのメニューは、先代からの『ヤキトリ風味』の骨付き・骨なし、手羽先、黒から揚げが人気ですけど、やっぱりよそのお店よりもシンプルな味だと思います。」

「数年前に中津旅行で、3~4軒のから揚げを食べ歩いたんですが、専門店の中には油を入れるフライヤーを6台も置いてるところもありました。『すごいなぁ~』と感心したんですけど、やっぱり食べてみると味が全然違いましたね。同じ中津でもお店によって味が違いましたけど、どこも美味しかったですよ。スパイスが効いて、クセになる味だなと思いました。それに比べると、うちのはちょっと薄味かもしれないですね。ただ、『だからこそいっぱい食べられる』なんていう声をいただくこともあって『へぇ、そういうもんなんだな』なんて思うこともありますけどね(笑)」(亀山さん)
から揚げを上手に揚げる唯一の方法は「一度に多くを揚げない!」

亀山さんが中津の某専門店で衝撃を受けたという、フライヤーを6台も用意している店。しかし、ここで亀山さんは確信に近いものを得たとも言います。「1店舗に6台ものフライヤーを置くということは、1台のフライヤーで一度に何個もから揚げを揚げちゃダメってことなんですよ」とのこと。どういうことでしょうか?
「うちもそうなんですけど、から揚げを揚げる際、1台のフライヤーに一定量の個数以上の鶏肉を絶対入れないんです。何故なら、多くの鶏肉を一度に揚げることで、油の温度が下がってしまうからです。これが家庭となれば、油の量が少ないし火力の弱いですからなおさらで、一気に揚がっていかないわけです。逆に、油の温度を下げないよう、大きいフライヤーに少ない鶏肉を入れるのであれば、油の温度が下がらず、美味しく揚がるんです。これだけを守って、きちんと揚げれば、家庭でも絶対に美味しいから揚げができると思いますよ」(亀山さん)
亀山さんによれば、から揚げを上手に揚げるたった一つのコツとはズバリ「一度に数多くのから揚げを揚げない」というごくシンプルなもののようです。そして、さらに美味しく揚げるには、微妙なところで油から鶏肉を取り出すとより良いとのことでした。
「鶏肉って、余熱で芯まで火が入っていくんですよ。特に骨なしの鶏肉は、微妙なところで揚げすぎないことで、肉の旨みや独特の食感を楽しむことができるようになると思います」(亀山さん)
基本の揚げ方を守りつつ、下味のアレンジで独自の味を表現すべし!

から揚げを家庭で美味しく揚げるコツは、シンプルなやり方だったというわけですが、その上で亀山さんは「下味でアレンジを変えてみると、楽しいと思います」とも助言をくれました。
「から揚げの下味って、たとえば醤油ベースや塩胡椒ベースですが、その基本のベースにプラスで、自分なりの何かを加えてみると、独自の味になって楽しいんじゃないかとも思います。『今日は豆板醤を少し入れてみようかな』とか『七味入れてみようかな』とかね。家庭にあるもので良いんですけど、隠し味を入れることで『我が家の味のベスト』が見つけられると思いますよ」(亀山さん)
●調査結果:から揚げを上手に揚げる唯一の方法は「一度に多く揚げない」というシンプルなものだった! その上でベースの下味を少しずつ変えていくと良いとのことだった!

創業50年で、佐野市のから揚げ界では重鎮的な存在の『フライドチキンカメヤマ』ですが、この通り、店主の亀山さんは惜しみなく「家庭で美味しくから揚げを揚げるコツ」を教えてくれました。それでもやっぱり『フライドチキンカメヤマ』の味には遠く及ばないように思いますが、ここまでの話を受けて「よし。いっちょやってみようか!」という気持ちになったのも事実です。ぜひ本記事を参考に、あなたならではの“カリッと美味しい絶品から揚げ”を作ってみてはいかがでしょうか。何度かトライするうちに、これまで以上の「味」を表現できるかもしれませんよ。
(撮影・文◎松田義人)
●SHOP INFO
店名:フライドチキン カメヤマ
住:栃木県佐野市植上町1756
TEL:0283-23-2279
営:9:00~20:00
休:火曜