レンゲがぴーん! 衝撃の超濃厚スープで本当にレンゲが立っちゃった

待つこと数分、目の前に出てきたのは、セメントというよりも褐色、でも見ただけで濃厚とわかるスープ、そしてピンク色のレアチャーシューが鮮やかな一杯。一応本当にレンゲが立つのかを挑戦してみたら本当に立った! そして微動だにしない……。思わず30秒ぐらい見続けたけれど動きません。(笑)

「麺は中太ストレートでスープは数種類の煮干、鶏、豚、乾物で作っています。濃厚の上を行く高濃度で作っています。でも脂はそんなに使っていないのでしつこくない。超濃厚だけれど、胃もたれは絶対にしない、後味すっきり系です」と店主。
ちなみに、限定麺って大体何杯ぐらいまで? 「基本なくなり次第終了ですが、今日は大体40杯を予定しています」。となると、朝イチからくるマニアさんを想定すると、午前中~昼までには来ないと食べられないのかも。
具はレアチャーシュー2枚とノリ2枚、オニオンスライスにネギ。レンゲが立つために、スープに何か入れているかを聞いてみたところ「それは企業秘密(笑)」とのことです。

調理工程をカウンター席から覗き見ると、大きなタッパーに入った茶色い塊をすくって小鍋に移して溶かし、それを器に流し入れて、麺や具材を乗せています。あの塊がおそらくスープの種。見た感じだとゼリーやプリンよりも固そう、推定くず餅くらいの硬さ?
仕込みに煮干、どれぐらい使ったんですか?「それはもぉたっぷり!」と店主。「(煮干の)物量にモノを言わせたラーメンだからね」と笑顔で話します。ちなみにこの店、日本各地からその時々でいい煮干を数種類仕入れてミックス。さらにイワシだけではなく、アジなど他の青魚の煮干しも使ってスープを作っています。

超濃厚ですがくどさはなく、煮干だからなのか、後味が確かにすっきりしています。想像していた以上にスイスイ箸が進む、といった感覚。濃厚な旨みが美味しく、キレがあってしつこくない、絶妙なバランスに思わず店主の足し算、引き算の技の素晴らしさを感じます。これは限定麺目指して行列ができるのに納得です。
そして、具のレアチャーシューやノリ、あとタマネギ&長ネギのダブルネギがいいアクセントになっています。 遠くに鶏や豚の甘みも存在していて、実はかなり奥深い、多層になった美味しさを感じます。

せっかくなので、真逆の「淡麗煮干ラーメン」(900円)も注文。こっちはスープに透明感があり、麺は細麺で繊細な美味しさです。どんなラーメンかを店主に聞いたところ「こっちは5種の煮干しで作るアニマルオフのスープだからね」と店主。
変な言い方かもしれませんが、煮干しなのにフレッシュ感があります。塩分も控えめで品がある味わいです。ちなみにレアチャーシューは、自家製の醤油麹に2週間ほど漬けて作っているとのこと。柔らかさと旨みがしっかり感じられます。引き算の美と、超足し算の美。どっちも煮干しなんだけれど、全く違うラーメン。胃袋に余裕があれば、2杯とも食べてほしい! 「煮干って、こんなに違うアプローチで食べられるんだ!」って実感できます。
まとめ:「超濃厚 レンゲ立っちゃうよ型」はマジでレンゲが立つ! 他の限定麺も要チェック

今回紹介した「超濃厚 レンゲ立っちゃうよ型」は、過去に4~5回限定麺として登場、今後は2ヶ月に1回ぐらいは出していく予定とのことです。最近では「7thハーブとオリーブの和えそば」「冷製 煮干しジンジャー」「冷製 桃のまぜそば」など、斬新なメニューが限定麺で続々登場する『麺屋 喜楽明人』。「超濃厚 レンゲ立っちゃうよ型」だけではなく、他のインパクト強めのメニューも要チェックです!
(取材・文◎いしざわりかこ)