団地の中でいただくラーメンにしてはレベルが高すぎる!?

『らーめん治 らいおん』には「らーめん(醤油・味噌・塩)」、「つけめん(醤油)」、「ぎょうざ」などのメニューがラインナップされており、この多彩さもまた団地のお客さんの様々なニーズに対応しているものと思われます。そんな豊富なメニューの中で、「7割以上の人が注文する」というのが「らいおんらーめん」(900円)とのこと。筆者も迷わずいただいてみることにしました。
コク深くまろやかでありながら、一度食べると忘れることができなくなる醤油ベースのスープ。その上に辛味のあるシャキシャキのネギ、コーン、ホロホロの焼豚、海苔などが乗っています。スープだけでも十分旨い一杯ですが、これらの具材によってさらに贅沢な味わいを楽しませてくれます。

シャキシャキネギをいただけばキリッとした風合いを楽しめるし、ホロホロの焼豚をいただけば強い肉感を味わうことができます。つまり、ベースのスープの旨さだけでなく、具材ごとに違う味の個性をそれぞれに楽しむことができるのが「らいおんらーめん」の個性と言って良いでしょう。

そして、忘れてはいけないのがスープにしっとり絡み合う独特のストレート麺。小麦感も抜群で、次々とすすりたくなります。具材との相性も抜群で、食後の満たされ感は十分すぎるほどでした。このローカルな団地の中にある小さな商店街で、これほどまでにハイクオリティのラーメンをいただけることが正直意外です。店主の小川正治さんに話を聞いてみることにしました。
店主が10年かけて「常に味の改良を重ねてきた」味はマニアも納得の一杯

「『らいおん 府中本店』で20年間働き、店長職を10年務めました。その後退職し、2012年に『らーめん治 らいおん』を開業しました。『らいおん』の味を基本にしながらも、独自のアレンジを加えることで、現在までに多くのお客さまにご支持いただいてきました。百草団地に店を構えたのは、うちの子どもがまだ就学前だったこともあり、学校からお店にすぐ帰って来られる立地で……という理由からでした。現在は、地元・百草団地や近隣の方々はもちろん、かなり遠方から来てくださるお客さまもいらっしゃいます」(『らーめん治 らいおん』小川正治さん)
言い換えれば「昔ながらの家族経営のラーメン屋さん」の店構えでありながら、しかし繁華街の人気店にも負けない味を出すのが『らーめん治 らいおん』ということになりそうです。
「『とにもかくにも美味しいらーめんを!』という思いで、常に味の改良を重ねてきました。現在は開業時よりも飛躍的に美味しくなっているはずです。らーめん好きの方ならきっと満足いただける味だと自信をもっています。ぜひ一度ご来店いただければ嬉しいですね」(『らーめん治 らいおん』小川正治さん)
地元以外の人からすれば、確かにアクセスしにくい場所にあります。しかし、そこに行けばかなりのハイクオリティのラーメンをいただけます。家族連れでも気兼ねなく利用できる『らーめん治 らいおん』、ぜひ一度バスやクルマなどで百草団地まで行かれてみてはいかがでしょうか。
(撮影・文◎松田義人)