本当に舟に乗ってやってきた! ツヤツヤと白く輝くもりそば「大舟」1735g

最初に薬味とそばちょこが席に。もちろんそばちょこのサイズは普通。しかし、舟が目の前にドーンときた時は流石に衝撃的! 1.5kgのそばって、こんなに山だとは!
ウキウキしながら計測。舟は全長45cm、最大幅24cm、高さ6cm。そばの山の高さは約13cm。そして重さは1735g(舟の重さを除く)。公式より200g以上重くてラッキー! そばつゆ1人前150g、薬味15g(共に器の重さを除く)を足すと、2kg突破、ってことになりそうです。だって1735gのそば、さすがに1人前分のそばつゆでは無理だと思う。

まずは何もつけずに一口。キリッとした冷たさの中に、そばの香りとふんわりとしたそばの甘味が口の中に広がります。次につゆにつけて一口。かえし醤油のしっかりした濃いめのつゆに思わず「これこれっ!」と言いたくなる江戸前のおそばのつゆ。すっきりしたそばといいバランスです。
無心になって、そばをすくってつゆにちょっとつけて啜る、を繰り返します。無限に食べられそうな気になってくる自分が怖い。そばって飲み物、とまでは言わないけれど、ほぼ飲んでいる感覚。スイスイ口の中に入れて飲み込んでいくような感じで山を減らしていきます。うどんやラーメンと違ってそばって、ほとんど噛まないもんだから、箸を動かすスピードが全然違う。序盤は薬味も入れず、そのままを味わっていきます。

「うちのそばは更級系。厳選した鰹節をベースにした独自の蕎麦つゆだね。1日寝かせて味をなじませているよ。やや甘めの味に仕上げてるね」と軽快に話すのはホールマネージャーの藤森さん。創業48年、新橋のサラリーマンに愛され続けているそば&居酒屋店とのこと。確かに店内の張り紙やメニューに、お酒に合いそうな料理が色々と載っていたのに納得。
ということは、居酒屋で飲んだ後にシメのラーメンで店を移動せず、ここで飲んでシメのそばまで店替えせず楽しめるってことですね。

そもそも舟盛りでそばを出すようになったきっかけは?「30年前に、刺身の舟盛りを見て、社長がそばも舟盛りで出そうって始めたのがきっかけだね。だから舟盛りそばを出し続けて30年。元祖舟盛りそばなんだよ」。
初めは小と大の2種類だったところ、後から特舟が誕生「特舟は舟の端から端まで盛るからね。迫力あるよ」。3人前で公式1.5kg、実測1735g。ということは、5人前の特舟だとおそらく、2.5~3kg? それは山も高くなって迫力がありそうです。
そして、完食するためのおすすめのアドバイスを聞くと「腹減ってから来い!」とニッコリ。そもそも注文時に、そばのグラム数を伝えて納得してもらってから作ることにしているので、うっかり頼んで大量に残す、という惨事はないとのこと。そしておすすめの食べ方は「つゆを交換したり、天ぷらを追加で頼んで天せいろにしたりと、味を変えるのがいいね」とのこと。実はつけ汁だけの追加注文が可能で、通常のそばつゆ160円のほか、納豆おろし汁300円やとろろ汁400円、鴨汁530円などがあり、中でも肉汁430円は人気だそう。そして季節野菜の天ぷらの盛り合わせは650円、野菜のかき揚げは300円。確かにそれは良いアイデア。山盛りだからこそ、色々な味を楽しめるってことですね。
ちなみに歓送迎会用メニュー(3名~、飲み放題付き1人4200円~)は、コース料理のシメがおそば食べ放題。そば好きの人を迎えたり送ったりするのに良さそうです。新橋で30年もの長い間、愛され続けている「舟盛り蕎麦」。見た目でワクワクするのはもちろんですが、味も喉越しも良く、お腹がいっぱいでも口がもっと欲しい、もっと食べたいとなる、あと一口、もう一口が止まらない美味しさでした。
(取材・文◎いしざわりかこ)